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12月読書感想文:かこさとしの世界

1.昔からかこさとし先生が好きだ


『おしいれのぼうけん』、『こんとあき』、『めっきらもっきらどおんどん』、『いやだいやだ』、『14ひきのあさごはん』……
小さい頃に好きだった絵本の作品名は、少し考えただけでも多くの本がパッと頭に浮かんでくる。
だけど好きな絵本作家は、と問われて即答するのはかこさとし先生なのだ。

かこさとし先生の世界観が大好きで、小学校の卒業文集の将来の夢として書いた作文には、かこさとし先生のような絵本作家になると書いた。

子ども心をくすぐる絵やストーリー、優しい色使い。絵本を読んでもらってるときは、まるでその絵本の世界で自分も遊んでいるような気持ちになれた。

大学生の頃ひとりで東京に行く予定があり、せっかくなら観光しようと調べてみると鎌倉で作品展があるという。

『だるまちゃんとてんぐちゃん』を繰り返し読んでいた、かつての4歳児が大きくなって展示会に訪れた。
小さい頃だったら行きたくても距離的に行けなかった。
大人になると責任を持てば自由に好きなことができるんだと、自信がついた出来事だ。

幼少期に私の世界を広げてくれた絵本が、大人になってからも私の背中を押してくれた。

2.この本の魅力

この本は、2019年から2020年に各所の美術館を巡回する展覧会「かこさとしの世界」の公式図録として刊行された。
かこさとし先生の幼少期からどうして絵本作家になられたのか、また、先生のデビュー作から代表作の解説がぎっしり掲載されていて、読み応え抜群だった。

幼少期かこ先生の話を繰り返し読むほど大好きで、そのときのワクワクした気持ちや読んでいて楽しい!っていう気持ちになるのは、話が面白いっていうだけではなくて、かこ先生の子どもに対する熱意や表現へのこだわりがあってこそだったんだなぁ、とこの本を読んでいて分かった。
まるで同窓会で、担任だった先生とあのときの裏話をしているかのように、懐かしい気持ちと、更に尊敬の念が生じてくるようだった。

3.かこさとし先生の絵本について語りたい



私の好きなかこさとし先生の絵本は、
①だるまちゃんシリーズ
だるまちゃんは顔は怖めなのにニコニコしてるのがすごく可愛い男の子。
だるまちゃんシリーズは、だるまちゃんと一緒に遊んでいる気分になれて楽しかったなぁ。
とくに好きなのが「だるまちゃんとてんぐちゃん」
道具を工夫して自分でつくりだすところに、工夫して楽しむことを学んだし、なにより様々な道具が出てくるのがみてて面白かった。

②とこちゃんはどこ
目を離すとすぐどこかへ駆け出していってしまう、とこちゃんのお話。
私も、手を繋いでいないとすばしっこくどこかへ行ってしまう子どもだったようで、とこちゃんと一緒と言われながら読んでもらうのが、くすぐったいけど好きだった。
デパートや動物園を走り回るとこちゃんを親と一緒に見つけるのが楽しかった思い出。

③ゆきのひ
ゆきのひは、あまり内容は覚えていないけど絵がすきで、小学校高学年の絵が上手くなりたいと思っていた時期に、こういうふうに描けるようになりたいと思った一冊で印象深い。
雪が積もる地域じゃなかったので、こういうところで遊んでみたいとも思った。それくらい世界観に引きずり込まれるような絵を描かれるかこさとし先生ってすごいなぁという作文を書いた記憶がある。

④どろぼう学校
悪いことをしちゃいけないと普段教えられているガス抜きになるから好きだったのかな?と今になって思う。
盗みに入るために、ぬきあしさしあし〜で皆で歩いていくのが面白かったなぁ。
あと、どろぼうなのに皆で遠足に行くっていうところと、登場人物それぞれがお茶目で、この学校に入ってみたいなぁとも思った。
これを読んでくれるときの父の演技力もすごくて、臨場感たっぷりに読むと、子どもにうけること間違いなしだと思う絵本だ。

⑤からすのパン屋さん 
このシリーズに出てくるパンってすごく美味しそうで、しかも色んなパンがたくさん出てくるから、自分なりのパンを考えたりするのも楽しかった。
パン屋さんで動物型のパンを見ると、からすのパン屋さんだ!とテンションが上った。
なんでこの本に出てくるパンってこんなにも美味しそうなんだろうと思っていたら、この『かこさとしの世界』で紹介されていたある絵の解説で、"食いしん坊のかこは〜"と書かれていたので、だからこんなにも美味しさを表現できるんだなぁと納得した。
この絵も心をくすぐるいい絵なので、ぜひ確かめてみてほしい。

4.さいごに


むかし好きだった世界に、もう一度里帰りした気持ちになれるので子どもの頃好きだった本をもう一度読むのっていいなぁと思う。
かこさとし先生の絵本が好きだった人はぜひ読んでほしい。

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