デザイン思考はイノベーティブなはずなのに

今朝こんな記事を見つけました。

世界を変えるはずだった
「デザイン思考」とは
何だったのか?
企業や自治体から一時注目を浴びた「デザイン思考」の輝きは近年、失われつつある。組織内での「イノベーション劇場」が常態化し、多くの課題が大量の付箋では解決困難であることが明らかになった今、デザイン思考のアプローチにもイノベーションが求められている。

MIT Technology Review

「デザイン思考」と呼ばれているものには多くのバリエーションがあります。それらに共通するものを私なりに抽出すると

・人間中心
・まず問題定義、次に解決策立案
・発散/収束
・何度も作って作って作り直し

の4っつの要素。これらを繰り返すことによりよりよいものを目指す、というのが謳い文句です。

なのに

「デザイン思考」を掲げている人たちの多くが「デザイン思考原理主義」に陥ってしまっている。「デザイン思考原理主義」とは何か?現在のデザイン思考が持っている問題、限界から目をつぶり、とにかく
「これが正しい方法です!これでイノベーションが生み出せます」
と唱え続ける立場。

もし本当にデザイン思考を実践するのであれば、そのプロセス、手法もどんどん新しく生み出されなくてはおかしい。現実と対峙すれば「デザイン思考」がどんな問題でも解決できる魔法の弾丸でないことは明らか。ならば限界はどこにあるのか、それを克服する方法はあるのか、現在の手法から変えるべきところはないのかと常に問い直すのが本来のデザイン思考のあるべき姿でしょう。

なのに

そういう態度で「デザイン思考」を実践している人に出会ったことがない。それどころか標準化、テンプレート化、型化を説く人ばかり。

多くの「デザイン思考」を得く人は、「デザイン思考」という言葉によりかかり思考停止している、と私は考えています。「デザイン思考」自身には罪はないものの、そうした態度をとる人によって「デザイン思考」は有害なものになっている、と私は危惧しています。

ではお前は何を提案するのか?と問われればA❤️アート思考だ、と答える。こうした新しい提案が次々でてきて、お互いに刺激し合いながらよりよい道を探す。そうした姿があるべきだと信じています。

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