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ドサクサ日記 10/30-11/5 2023

30日。
便座から尻を上げると、便器の中から1匹の蚊が現れ、どこかへ飛んでいった。尻全体をさすってみたけれど、血を吸われた形跡がなくてホッとした。蚊に知恵のような体系が存在するのかは不明、というか思考している可能性は限りなくゼロに近いと思うけれど、尻に狙いを定めるとはなかなかやる蚊だなと思った。直撃死などのリスクはあるが、確かに血を吸うチャンスとしては、無防備な人間を狙える。

31日。
ハロウィンと言えば渋谷。ということで、渋谷を避けて友人と会っていろいろなことを話した。「いくらなんでもガチガチに規制しすぎだろう」という憤りが電脳世界にポストされていた。増税や物価高、正直に言ってしんどい世の中で、庶民や若者の娯楽やイベントまで奪ってどうするという論旨だ。したい仮装もできないこんな世の中じゃ、ポイズン、と俺も思う。安全性の問題もあるけど。

11月1日。
TVで日本シリーズ観戦。両監督の采配に痺れる一戦だった。8回のピンチで湯浅起用。画面越しに阪神ファンの応援に勢いというか、一体感が生まれたように感じた。「流れを引き寄せる」采配とはこういうことかと唸った。佐藤をパっと代える判断もタイミング的にすごいなと思った。対する中嶋監督の9回裏満塁策。これはギャンブルだったと思う。1,3塁、ゲッツーでイニングを締められるが、中野は盗塁がある。2,3塁。三振か内野フライ以外なら四球でもという配球になる。森下にそれなりの球数を投げて満塁になるくらいなら、申告敬遠を経て、投手野手の集中力が緩まない状態で大山と勝負したほうがいくらか状況は良いように思う。満塁で4番の大山を抑えられたら、次戦は最高の流れで戦うことができる。相手の勢いを削いで、一気にシリーズ制覇となる可能性が高い。仮に押し出しになってもワゲスパックなら想像の範囲内でダメージが少ない。そこまで阪神には流れがいかないように感じる。ということを一瞬で判断して(多分)、申告できる中嶋監督はすごいなと思った。大山が素晴らしいレフト前タイムリー。これでまったく分からなくなった。阪神連勝で大手になっても、一呼吸置いて大阪ドームになる。山本と宮城がいる。恐ろしい。野球について書くときは気恥ずかしさでいっぱいだけど(スーパーマンたちが競技しているプロスポーツ全般にも言える。視聴者の好き勝手言える喜びよ)、とにかくこんなに面白い試合というか、スポーツとしてもエンタメとしても最高のシリーズを戦っている選手たちと、名監督ふたりの采配がたまらない。素晴らしい。久々に野球で興奮した夜だった。しかし、こう画質が良い時代になると、ストライクゾーンが気になる。あと、岡田監督の表情がいちいち良い。

2日。
日本青年館初日。前夜は緊張して寝つきが悪かった。喉は健康な状態だが、本当に出るかしらという不安があった。また、喉だけでなく、背筋や腹筋、そのほかの声を出すための筋肉というのが発声にはとても重要で、静養している間にいくらか衰えたり、強ばったりしていないか心配だった。公演はまあ、そうした体調面の状態もそれほど悪くなく、楽しくできた。終演後は抜け殻のようになって果てた。

3日。
日本青年館2日目。いくらかの安堵と共に就寝したが、起きて直ぐは喉が大丈夫かしらと不安になる。昔は8日で6本とかのライブをやって、毎朝のように声が出るのか心配していた。そういう日々が懐かしい。喉はともかく、筋肉の状態は昨日よりいくらか良いのがわかった。身体がツアー用に戻っていく感じ。演奏はとても楽しかった。俺たちらしく、人間らしいライブだったと思う。丸裸の音楽。

4日。
ビートルズの「Now And Then」を繰り返し聴く。魔法が潰えた後の余韻のようで、なんとも寂しい気持ちになる。けれども、ポールとリンゴの想いがジョンの声やリリックを通して、どちらの言葉かわからなくなるような、そういう不思議なやりとりにも聞こえる。かつての奇跡を愛でるような、そしてそれにお別れを伝えつつ、もう一度ハローとハグの準備をするような、そんな曲だとも感じる。もちろん、ジョンやジョージがどう思っているのかは知る由もない。自分だったら、他のメンバーに未発表曲を弄られるなんて本当に嫌だなと思う。もちろん、そういう想像がポールやリンゴにないわけではないと思う。僕らには知り得ない関係性がきっとあるんだと思う。ビートルズのNowと俺のNowは重なり合わなかった。俺が4歳のときにジョンは亡くなった。しかし、大好きなリボルバーを、ラバーソウルを、ホワイトアルバムを聴けば、そこには彼らが記録した膨大なNowが広がっている。録音芸術の素晴らしさは、そうやって彼らの濃密な時間を3分半の楽曲にとどめて、未来のいつでも開封できるところだと思う。Get Backという映画を作ってくれたことにも感謝したい。晩年のビートルズの雰囲気を、正しくとは言えずとも、垣間見れたのはよかった。4人のために、天国が存在して欲しいなと思う。

5日。
買い物したり魚焼いて食べたり、普通の休日。夜は缶ビールを飲みながら日本シリーズ観戦。いやぁ、すごいシリーズだったなと改めて。缶ビールの隣では鰤カマと鯛のハラスの酒に合う焼き魚日本一決定戦が行われていた。この日は鰤カマの圧勝だった。しかし、こうしてメインとは言えない部位に価値を見出し、冷凍、あるいは干物にして販売している人たちの商才はすごいなと思う。プリン体が心配。