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楽しむことが苦手なら、乗り越えるのが苦手なら。

修学旅行の本番は消灯後。観光でも名産品でもなく暗闇の中で好きな子の名前を暴露し合うその時間だ。

などというエピソードをたまに聞く気がするけれどあいにく僕にはそんな友達はおらず、眠たくないのに寝なければいけないその状況をどう打破するかに困っていた。


僕は退屈が嫌いだ。

かといって目の前のことを何でも楽しめる幅広い好奇心も持ち合わせておらず、一つ見つけた好きなものを飽きるまで掘り下げるタイプである。

学校にも迎え入れた土地にも申し訳ない話だが、修学旅行の本番が消灯後というのは本当だろう。

綺麗な景色より、美味しいご飯より、特殊な環境で友と普段しない話を共有するという体験が高揚感を生み思い出となるのだと思う。

そういう特殊さを「感じる」のが下手だった僕が「作る」にたどり着いたのは自然なことなのかもしれない。


僕はライブイベントをする時に少しライブ以外の要素を追加することにしている。

メインステージの間にアコースティックサブステージがある。その形が予定調和になってきたなと感じた時に何か違う要素を作りたいなと思ったのが始まりだった。

「普通が嫌」とか「人と違うことをしたい」と思ったことはあまりなくて、ただ退屈とかしんどいことが嫌いだった。

どうやったら面白くなるかを考えて作っていたらたまたま違うものになった。

自分がニヤッとできるものを現実世界に誕生させたらそれをみた周りの人が笑ったり泣いたりしてくれた。

作詞や作曲は悔しさや頑張りたい気持ちを形にするフィルターになってくれる。気持ちは生きてる限り溢れてくるから飽きることなんてなくて、何か思ったら曲を作るのが普通だった。


さっきも次のライブのために集めたニヤニヤをひとつ形にできたところで、早く見てもらいたくて仕方がないなうだ。

目の前のことを楽しむことが苦手なら、しんどいことを乗り越えるのが苦手なら楽しみを作ってしまえばいい。

思い返してみれば僕はずっとそうやって生きてきた。

だからやめるって選択肢はなくて、多分ずっと書いたり歌ったりしていくんだと思う。

[この記事の元になったツイート]


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