見出し画像

苦しんで、もがく。でも立ち上がるしかない。

修士論文が大詰めだった2020年1月あたりからちょうどいまに到るまで、私は精神的に暗いトンネルの中にいると思っている。

M2の10月くらいから、これまでの研究がひと段落したので、研究内容と分野を少し変えた。ちょっと面白い結果が出たから、これまでの研究と合わせて、修士論文に盛り込もむためにがむしゃらに頑張った。修士の学位審査会が終わったあと、指導教員からは、(博士論文ではほかの研究に取り組もうとしていることだし)1~2ヶ月で投稿論文にしてほしいと言われていた。しかし、修士論文が終わった後、投稿論文のレベルを目指すために結果を再検討してみたところ、成果だと思っていた全体の半分は、観測データの偏りが原因で、新しい物理現象を検出していたとは完全に言い切れないことがわかった。でも、ここでゼロにするような内容でもない。残りの半分の内容をなんとか投稿論文にしようと苦しんでいた4ヶ月だった。

自分はこれぐらいで十分ではないかと思って指導教員に見せる。指導教員からは的確なフィードバックが来る。フィードバックに沿ってさらに解析を進める。そうするとまたフィードバックがやってくる。一方で、本来の博士課程でやる予定だった研究は進まない。だんだん、なんでこんなことやってるんだという気持ちになっていく。楽しい気持ちが1mmもない。研究成果を出さないといけないというプレッシャーと、成果を出さないと周りに見放されるという恐怖感で戦っていた。うまくやれない自分に苛立ち、残念に思い、もうこんな思いをしたくない、と何度も思った。自分で選んだ博士課程への道だったが、進学を何度も後悔した。一人で泣く日々が続いた。

はっきり言って、自分の気持ちの方向性としてはまだ改善には至っていない。こんな自分を棚に上げて話すのはおこがましいのだが、卓球の石川佳純選手のオリンピック代表に向けての苦悩の様子に、暗いトンネルの中にいる自分と彼女を重ね合わせていた。彼女の何度でも立ち向かう様子に背中が押された。

逃げ続けるわけにはいかない。少しずつ今日できることをやって、より良い方向に進んでいくしかない。きっと、後から振り返ってみたときに、あのとき頑張ってよかったと思えるように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?