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夏の終わりを告げる、レイバーデー

2020年の夏が終わる。

今日9月7日(月)はアメリカではレイバーデー(Labor Dary)の祝日。この週末はアメリカ中の人達、ニューヨーカー、そしてニューヨークのワイン業界の人達にとっても大きな節目となる日です。

レイバーデー(Labor Day)とは

9月第一月曜日はアメリカ連邦政府の定めるLabor Day(労働者の日)の祝日。毎年、この3連休が終わると夏が終わると言われています。夏の始まりは5月末のメモリアル・デーからなので約3か月半に渡る夏の終わりです。

この連休後にアメリカでは学校の新学期が始まります
アメリカの学校制度は9月スタート。そのため、単なる新学期というだけでなく、学生たちやその家族などにとっては、新しい人生の始まりになる節目の日でもあります。

一気に活気づくNYC

ニューヨークもレイバーデー後に街の雰囲気は一変します。

夏の間にNYCを離れて別荘生活をしていた富裕層が一気に戻ってくるのと、NYCで開催されるイベントのために、世界中から人が集まってきます。

まずはレイバーデーを挟んで約2週間開催されるテニスの全米オープン。次に秋のニューヨーク・ファション・ウィークがマンハッタンで。そして、9月中旬以降は国連総会が開催されるので世界中の要人がニューヨークに集まってきます。

9月から12月にかけては、ニューヨークが一番活気づく時期。
9月の様々なイベントから、ハロウィーン、サンクス・ギビング、クリスマス、そして大晦日のカウントダウンまで街中が盛り上がり、観光客も大勢やって来ます。そのためこの4半期はホテルの値段も一番高い時期と言われています。

NYワイン業界での変化

ニューヨークのワイン業界にとっても、レイバーデー後は一変します。

この週末を境に、ビジネスの中心はテイスティング・ルームからブドウ畑へ。ワインツーリズムが発達中のニューヨークにおいては、夏の間はワイナリーに日帰りや休暇で来る人達に自分たちのワインを知ってもらうことは非常に重要なこと。

秋に入ると、ワイン生産者にとっても最も重要なブドウ収穫が始まります。ブドウの出来がワインの品質のすべてを決めると言っても過言ではないので、この約1カ月半に渡る収穫時期は最も神経を使う時期。ブドウの成熟度と天候を見ながら収穫時期を決定し、それに合わせた労働力の確保など時間の勝負です。

ニューヨークでは毎年9月初旬にブドウの収穫が始まります。今年も先週末にブドウの収穫が始まったとの報告をいろいろなワイナリーのSNSで見かけました。近年は世界中の多くの産地で8月中旬からブドウ収穫が始まりますが、冷涼なニューヨークは比較的遅めのスタートです。

未曽有の2020年

以上、これまで一般的なレイバーデー後の動きを書きましたが、今年はどうなってしまうのでしょう。明らかに状況が違いそうです。

学校の新学期が始まってもリモートや登校日の制限など州や地域、学校によってその方針はまちまち。マンハッタンでの世界中から人の集まる大イベントも、海外旅行が大きく規制されている今はどのように運営されるのか?

NYCのレストランも以前アウトドア・スペースのみでの営業が認められているだけ。今後寒くなってくるし、早く室内での食事認められないと、ニューヨークのレストランの2/3が来年1月までに倒産する可能性があるというニュースもあります。

NYのワイナリーも今年はテイスティング・ルームは営業しておりましたが、完全予約制にしたり、人数を大幅に制限することで対応しておりました。

今年の異例の環境下でも、ブドウの生育だけは、コロナの影響など関係なく、進んでいきます。ついに始まった2020年のブドウ収穫。2020年のワインは間違いなく、皆さんの記憶に残るワインとなることでしょう。


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