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【詩】思い出の子ザル

学生の頃
親友と二人で
千葉公園に行った

サルの檻があった

何十頭かの
サルがいた
腹を空かせているようだった

その中に
身体の不自由な子ザルがいた

僕らは
バナナを買ってきた

身体の不自由な
子ザルにあげたかった

ぎりぎりまで近づいて
その子ザルに
あげようと思ったが
ことごとく
他の元気なサルに
持っていかれた

子ザルは必死に手を伸ばす
僕らも子ザルにバナナをあげたい

その思いは通じず
バナナはなくなってしまった

あの子ザルは
育っただろうか

僕らの気持ちは
ときにあの頃に戻る

親友と僕はお互いに
バカ兄弟と呼び合う

あの子ザルは
僕らの思い出の象徴

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