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どんな人でも必ず結婚できる理由

その日、友達の誕生日パーティが六本木で行われた。
18時から始まり、21時くらいに解散してひとりで西麻布まで歩いてたとき
交差点で、さっきまで誕生日パーティにいた男友達にばったり出くわした。

彼は開口一番

「今日・・・・じつは俺、誕生日なんすよね」と言った。

時すでに22時すぎ。明日は月曜だ。
気心知れた仲ならともかく、たまに話す程度の男友達なので、
わたしはかなり驚いて声を上げた。

「なんで今わたしに言うの?
もっと祝ってくれそうな優しい人、パーティ会場にたくさんいたやん!!

てかFacebookになんで誕生日登録してないの?知ってたらお祝いできたのに」

「いや、登録して誰も祝ってくれなかったら寂しいんで・・・・」

「そんなことないって
●●さんも●くんも君のこと好きやで」

どんだけ暗いねんこいつ、とメンヘラな自分をオモクソ棚に上げてわたしは思った。
わたしもそういう不安は感じる方だけど、
祝ってもらいたい気持ちがあるなら、誕生日を公開していかないと誰にも祝われないで終わる。

そしてこういう態度って、周りの人間を信頼しなさすぎてわたしはあまり好きじゃない。
自分のことしか考えてないと思う。
ただ傷つきたくないだけ。


自分が自分をいくら嫌いでも、周りにいる人間は「好きだから」いてくれてるのだ。
好きな人の誕生日は祝いたい。だから祝ってもらったらいい。
もらった好意を素直に喜んで楽しむのも、そばにいてくれる友達とのマナーじゃないかなってわたしは思う。

ただ、その頃はSNS全盛期でその男友達もわたしも交友関係にパリピが多かったから
自分の誕生日パーティと人の誕生日パーティを比べて悲しくなるから嫌だというのなら
それはものすごく理解できる。

どちらにせよ、彼はあまりメンタル強くないんだな、と思った。
以前、彼がわたしの親友を好きになったとき、応援したり彼女が喜ぶプレゼントやお気に入りの場所を伝えたりしたことで
仲良くなった。彼の恋は残念ながら実らなかったけど。

誕生日の件だけでそのときのわたしは「この人結婚できなそう・・・・」とまたオモクソ自分を棚に上げて思った。

しかし、その彼が相思相愛の彼女を見つけ、毎週のデートに彼女デザインのオリジナルパーカー(目の覚めるような鮮烈なピンク色に紫ロゴ)を
ペアルックで着て所構わずイチャつき倒し、見事ゴールイン。

イケメンだけど彼女がいない男友達も「あのカップルすげぇな・・・俺、あのパーカーだけは着れねぇよ」と
引いて呆れるくらいラブラブだった。

わたしはそのとき痛感した。
相性ってある・・・・!!!!どんな人でも結婚できる・・・・!!!!と。

誰かに合わない人は、
別の誰かの運命の人。
ただ、出会ってないだけ。

結婚したいなら行動しよう。

彼の彼女になった子は、わたしも知っている子だった。

深く話したことがなかったからあとで知ったけど
実は彼女もメンヘラで、誕生日をSNSで公開したくない派。
人間関係で悩むポイントが似てて、共感しまくったことで2人の仲はさらに深まったらしい。

彼が彼女に恋したきっかけは、彼に惚れた彼女が彼のFBを調べ上げて公開していないはずの誕生日を見つけだし、サプライズで祝ったのだ。
方法としては彼のタイムラインを全部見て、学生時代の友人などが「誕生日おめでとう」のコメントをどこかに残してないか
探したらしい。

恋のパワーなのかわからんけど、メンヘラって愛情対象に対してものすごいパワー出せちゃうよね。

わたしは誰にも選ばれないんじゃないかと、たまに不安になるとき思い出すリアルエピソード。

自分の欠点があるからこそ、人と深く繋がれたり愛しあえたりするから
こころを開いて恋した者勝ちだなって思う。

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