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なんとも言えない

noteを書くにあたり、私が意図的に避けているいくつかの言葉がある。
そのひとつが「何とも言えない」だ。

たいていの物事はグラデーションだ。感想や感覚、感情も例外ではない。いくつもの感情が複雑に入り組んで、嬉しいと悲しいの両極が存在することも珍しくはない。そんな時「何とも言えない複雑な気持ち」という表現はとても便利だ。

レビューサイトを利用することがある。その時にかなりの頻度で見かけるのが「何とも言えない」という表現だ。色、形、匂い、手触り、味…いろいろな感覚を表現するのに使えるし、それ程までに感動した、あるいは表現を憚られるような嫌な感覚を表現するのにちょうどいい。
嫌な気持ち・感覚を表現するのに最近では「モヤっとする」も用いられるが、こちらは良い面には使われない。一方で「何とも言えない」は良い・悪いの両面で使えるから、その時沸き起こった全てを「何とも言えない」で済ますことができるのだ。

とは言え、「何とも言えない」感情は常に起こるものだし、様々な気持ちや感動を余すところなく伝えたいという意味では使いやすい言葉であるに違いない。それをレビューとして読んだ場合、わかったようなわからないような、結果として具体的に何が良くて何が良くないのか伝わってこない。

私のnoteは、別に文学を目指しているわけではないし、buzzることも望んでおらず、いつか書くことで収入が得られたらと多少思ってはいるものの、チマチマと日々の出来事や心の中に沸き起こった

よしなし事を、そこはかとなく書きつくれば

吉田兼好『徒然草』

まさしく怪しいものとなってしまっている。それでも、”文字で表現したい”と思ったからには、その入り組んだ感情や物事をいかに解きほぐし、再構築して人に伝えることに注力すべしと心がけている。
それが出来ているかは別として、「何とも言えない」を避けようとしている努力だけは認めていただきたい。

同様の言葉に「ある意味」や「ある種」も、あいまいで語呂が良く、使い勝手の良い言葉である。
だから、ある意味何とも言えない気持ちを表現するにはある種の使いやすい言葉を多用するのが一番楽なのだ。


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