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語学はスルー力

外国語を学ぶ際、母語を通して外国語を学ぶより、その言語で学ぶ、いわゆる”ダイレクトメソッド(直接教授法)”の方が、直感的で身につきやすいなどと言われることがあるが、私は少なくとも入門から初級者までは、母語もしくはお互いに既知の言語を通して学んだ方が効率がよいのではと思う。母語が確立していない赤ちゃんや幼児ならともかく、大人が初めからダイレクトメソッドで学ぼうとしても、まずテキストが読めない、質問もできない、入門者はクラスで棒人間でいるしかないのだ。

たとえば英語圏の人がフランス語やスペイン語を学ぶのならダイレクトメソッドは良いかもしれない。発音やスペルが違っていても、共有している単語が多いからだ。しかし、日本語と西洋の言語は距離が遠いので、最初から外国語で学んでもチンプンカンプンだ。

一方で少しわかってくるとダイレクトメソッドと母語を介した間接教授法の中間くらいでレッスンを受けるのが良い。今私はこの状況だ。わかるから楽しいし、わからない時は日本語や英語の力を借りることができる。

ところで、外国語の学習には「スルー力」が必要だと思う。

例えばレッスンの初めに、近況報告などの軽い雑談から入るのはよく行われているが、先生の言っていることがわからなくても、適当なところでスルーしないと先に進まないのと同時に、落ち込んでしまう。せっかく話してくれたことを聞き取れなかった自分の力不足に意識がフォーカスされてしまう。
わからないだらけは挫折に繋がる。
ある程度のところまでわかれば、あるいはわからなくても、私は良いと思う。それにずいぶんと後になってわかることもあるのだ。

人とのコミュニケーションにおいて、母語であっても、その場の雑談などは結構聞き流している。特に話の展開が悪い人や、語彙が適切でない人の話はよくわからない。しかし、だからといっていちいち全部聞き直そうとはしないだろう。

しかし、はじめに書いたように、入門段階からダイレクトメソッドだと、すべてがスルーになってしまう。
それよりも母語を通して基礎を学んでいき、わからないところは母語で質問し、今学んでいるレベルよりも難しい場合はスルーするなど、「スルーコントロール」も必要だ。

語学とのお付き合いはとにかく長丁場だ。長く、適切に関わっていれば、ちゃんとできるようになる。
その為にも語学における「スルー力」は必要だと思っている。

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