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【楽曲考察・後編】外からの新たな風が、Finallyを未知の高みに導く【まいにちFinally・day8】

こんにちは!灰色です。

本日の「まいふぁい」は、Finally楽曲に関する三部作記事の最後となります。前編中編をお読みいただけた方々、もう少しだけお付き合いください。


ここまでの二つの記事では、Finallyの楽曲における「双方向性」と「リアルタイム性」が、我々の心を惹きつけ、そしてただの聴き手ではなく旅路の同行者として物語に参加させる力を持つことを、紹介してまいりました。

連作の最後となる本記事では、これらに加えて語るべき最後の要素を紹介いたします。

それは、外部アーティストのプロデュースが、既存のスタイルに新たな変化をもたらすことです。

同じ楽曲提供でも、「ワイブレ」では「紅蓮華」の作曲で知られるシンガーソングライター・草野華余子女史がメンバーと綿密に話し合い、グループの核となる精神を歌詞に織り込んだことで、圧倒的なパワーとメッセージ性を持つ名曲を生み出しました。

一方で、3/26のバンド編成ワンマンライブに向けた5ヶ月連続リリース企画の第一弾として11月末に発表された「Rock’n’roll Shooter(ロッケン)」は、それとは全く異なるアプローチを取っています。

フルプロデュースを行った感覚ピエロのVo&Gt・横山直弘氏は、あえて先入観を持たないように、彼女たちのことを深く調べずに制作した、との旨をコメントしていました。

その言葉を最初こそ不安に思ったのですが、結果として彼はその卓越したセンスによって、ストレートなカッコよさと熱さが中心だったこのグループに、今までになかった魅惑的で刺激に満ちたテイストを加えてみせました。

そして、振り付けを担当するJuri・Meg両名の意欲と遊び心がめいっぱいに詰め込まれた結果、LIVEで大盛り上がりする必殺アンセムが爆誕したのです。

目移りするの?
あの子がいいの?
そんなものくだらない
私以外何もかも
どうだっていいわ

「Rock’n’roll  Shooter」

「ロッケン」には、ここまで分析してきた「双方向性」はありません。しかし、そのことが逆にこの曲のエンターテイメント性を際立たせ、同時にメンバーの新たな魅力をも引き出してくれました。

彼女たちだけでは発想できなかった、あるいは形にしきれなかった新しい表現をもたらしてくれる。

さらには、それを自分たちのものにする過程で、Finallyの未知のポテンシャルまでもが発掘される。

それこそが、外部プロデュースの真価です。

そして早くも、1月末にリリースされた最新曲「走れ」では、従来のスタイルとの融合が成されました。

すなわち、トラックはtaka(ex.ミオヤマザキ)氏の提供。

そして、メンバーの一人であるRinkaが作詞を担当する、という形式です。

このコラボレーションによって、サウンドは斬新な響きをもたらしつつ、歌詞はその旋律に適したワードチョイス(「バトルゲームをイメージした」by Rinka)と、Finallyらしい王道のメッセージ性を両立しています。

生きてる意味が欲しいのなら
自分色に染め尽くせば
きっと誰かの生きる意味になる

「走れ」

自分色に染め尽くす」というワードから連想されるのは、もちろん六つの色を司るメンバーたちの姿です。

「生きる意味」として、Finallyが活動を続けること。

それは、彼女たちの色に染められた誰か=我々にとっても、「生きる意味」になっています。

そしてまた、「双方向性」という観点で考えるなら……

我々の存在が、もし彼女たちの生きる意味の一部にでもなれているのだとしたら、これほど嬉しいことはありません。

不器用なキミらしい言葉も
下手くそな優しさも
全部、全部大切だから
今日も自分らしく生きろ!

「走れ」

「不器用なキミらしい言葉」「下手くそな優しさ」が、彼女たちと我々ファンの両方に当てはまる……とは、言いすぎでしょうか。

けれど、彼女たちが「自分らしく生きろ!」と激励をくれるのならば、同じようにこちらからも、こう伝えたいのです。

どうか、Finallyらしく生きてほしい

いつだって、私はそう願ってやみません。

それにしても、あのトラックにこれらのリリックを合わせるのは見事の一言です。その実現にあたっては、Rinkaの技量と感性は勿論のこと、彼女自身が以前から提供者を深く尊敬し、その楽曲を愛していることが、「走れ」を完成させる最後のピースとして不可欠でした。

もともとミオヤマザキの楽曲の大ファンで、夢のような仕事とも語っていたRinka

努力が引き寄せた巡り合いに彼女が心から感謝し、このチャンスをものにしたいと強く願ったからこそ、言葉はいっそう熱を帯びて紡がれました。

そして、ありったけの想いを込めた「自分らしく生きろ!」という叫びが、ステージから響き渡るのです。

ワイブレ、ロッケン、走れ……外部アーティスト提供の楽曲を披露するとき、そこにはメンバーのリスペクトや音楽愛が溢れ出し、彼女たち自身もその時間を心から楽しんでいるように感じられます。

そして、そんなFinallyだからこそ、仙台のイベントで共演したASH DA HERO、宮田'レフティ'リョウ、感覚ピエロのいずれからも「オープニングアクトに出たアイドル」ではなく、対等な「ロック仲間」として称賛されました。

提供者への敬意と音楽に対する愛情を、余すことなくパフォーマンスに昇華させられるグループ。音楽界の第一線で戦い続けてきた先達たちにこそ、その真のポテンシャルが輝いて見えるのかもしれません。

そうしたプロフェッショナルによってもたらされるFinallyの新たな進化は、短く表すならば「化学反応」と呼べるでしょう。

今後もきっと、そうした予測不能の化学反応が、何度でも我々を驚かせ、楽しませてくれるはずです。

では、ここまで三つの記事で語ってきた内容を、今一度振り返ってまとめましょう。

セルフプロデュースだからこそ叶えられる、「双方向性」を持つまっすぐなメッセージ。

今この瞬間の彼女たちを映し出す、「リアルタイム性」。

そして、外部プロデュースによって実現する「化学反応」。

Finallyの楽曲は、こうした特徴を持ち合わせています。

その全てを、不純物を介さずに魂で受け取れるからこそ、彼女たちの歌声は私の心に強く熱く響き、一瞬たりとも逃すまいとリピートさせ、その素晴らしさを言葉で表すための脳と手を急かし続けるのです。


さて、3/26に向けた5ヶ月連続新曲リリースに大はしゃぎしていたのが昨日のことのようですが、あっという間に時間は経ち、未公開楽曲もあと二つを残すのみとなりました。

きっと、ここまで書き散らかしてきた私の期待など軽く飛び越えて、また新しいFinallyの一面が見られるような、彼女たちの限界をさらに超えるような新曲が、ここから先も次々と披露されていくことでしょう

そうやって、リリースごとに加速するFinallyの歩みを、いつも間近で見ていられる幸せに今一度浸りつつ、これにて本稿を終わります。

また、これから先の「まいふぁい」記事では、ここまで言及してきたポイントを踏まえつつ、個別の楽曲についてさらに深く語っていければと考えています。

改めて、ここまでお読みいただき誠にありがとうございました!

それでは、また明日!

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