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サムシング 2022

改めて今年一年を振り返ってみると、なんにも覚えていないことに気が付いた。

先日友人と散策中、茶色い猫の写真をふたりして鯛焼きに見間違え、そのあと近くにあった鯛焼き屋さんでとっても素敵な鯛焼きを食べた。
これが私の最後の記憶となる。

年の瀬になると、みんな今年一年を振り返ろうとするものだから、私もノリノリで首をぐいんと捻ってみたら、後ろには鯛焼きしかなかった。

きっといろいろ沢山あったはずなのに、何ひとつ思い出せない、不思議。
よく映画などで、記憶の収納を、引き出しやロッカーに喩えているのを目にするけれど、私の場合は完全にロケットえんぴつだったりする。
そんな足元で転げ回っている小さな芯みたいなのを、可能な限り拾い集めて、以下今年一年を命懸けで振り返ってみようと思う。あとは任せる。


職場のおじちゃんが描いてくれた似顔絵が、めちゃくちゃキュウリに似ていたので、「こんなにキュウリやとは思ってなかった!」と言ったら、声が出ないぐらい喉で笑っていた。

Googleマップでポストを検索したら、近所のファミマが出たのでファミマに行くもポストがなく、強ギャルの店員さんに聞くと、めちゃくちゃ脳みそ振り絞って「あ、あそこにあったかも…」と教えてくれた。その優しさに勢い余って何も買わずに出たことを今も後悔している。

信号待ちをしていたら、背後から切羽詰まった声で「この辺に自転車屋さんありますか…」と聞かれたので、行ったことは無いけど知っていた自転車屋さんを教えたら、めちゃくちゃ感謝しながらパンクしたチャリを引き摺って走って行ったおじさん。後でネットでその自転車屋さんのレビューを見たら、「ただのパンク修理のくせに一週間もかかった」とあったので、恨まれていないか今も気にしている。

真っ白い野良猫が擦り寄ってきたので、「馴れ馴れしいぞ!」と言ったらとんでもない目で見られた。

千切れた髪ゴムを燃えるゴミで出した次の日、ゴミ置き場にその髪ゴムだけが残っていた。

退職前の最後の出勤日、後輩から梅シートを貰った。梅が好きなんて一回も言ったことがなかったので、その勝負師ぶりに震えた。梅は大好きだった。

母に「8日と9日帰っても良い?」とLINEをしたら、ドアップの頭皮の写真と共に「白髪すごい」と返ってきた。


以上が2022年の思い出です。
皆様はどのような一年をお過ごしだったでしょうか。
良いことも悪いことも、覚えていようが覚えていまいが生き抜いて参るだけです。
本当に大した意味はないですが、皆様の幸せを心より願っております。

健康第一!
風味絶佳!
中華一番!
良いお年を!

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