見出し画像

「生まれてきてくれて、ありがとう。」ベイビー・ブローカー感想

ベイビー・ブローカー

是枝監督最新作「ベイビー・ブローカー」
初日の今日、観てきました。

観終わってなぜだかため息が出ました。
このため息の意味とは・・・
最後までお付き合いいただければ幸いです。

私の是枝監督作品視聴履歴

まず、かの有名な「万引き家族」
大フィーバーを起こした時は、観よう観ようと
思って観ておらず、先日の金曜ロードショーで
初めて観ました。そしてドハマリ。
3回観ました・・・。(笑)
早く観れば良かった・・・。

(同じような話で、ソン・ガンホ出演の
「パラサイト」も大フィーバーが終わった
だいぶ後に観ました。そしてお決まりのドハマリ。
狂うほど観ました。(笑))

他には、「そして父になる」
「海街diary」「三度目の殺人」は
視聴済みです。その中でも「海街diary」は
大大大大大好きです。
それぞれの問題も抱えながらも、
強く逞しく生きる4姉妹に惚れ、映像美に見惚れ、
この作品も何回観たか分かりません。
(はまったらとことん行くタイプ。)

で、本日「ベイビー・ブローカー」

そもそも何故観たのか

完全なるIU(イ・ジウン)目当てです。
わたくし、IU様の大ファンでございます。
まあ女優の時は、イ・ジウンなので、
イ・ジウンと呼ばせていただきましょう。(誰)

予告を観て、イ・ジウンが子供を捨てる母親役と
いうことは知っていました。
いや、むしろ、そんな役だったからこそ
観たかった・・・。

イ・ジウン、影のある役が本当に上手です。
何かを抱えているとか、
世の中にせいせいしている感じとか。
韓国ドラマだと、「マイ・ディア・ミスター」や
私の大大大好きな「ホテル・デルーナ」ですかね。
なので、こりゃ今日映画館で見るっきゃないと
思ったわけです。

キャスティングした方々、口座教えて

キャスティングに関わったすべての方々に
お礼を申し上げたいです。
本当に素晴らしいキャスティングでした。

出てくるキャストひとりひとりが本当に
その役を演じきっていて、素晴らしかったです。

ソン・ガンホが素晴らしい演技力をお持ちなことは
「パラサイト」何回も観まくった民からすると
百も承知のことでありましたが、

イ・ジウンが影のある役が本当にうまいことも、
百も承知でしたが、

一人あえてあげるとするならば、カン・ドンウォン。
まず顔がイケメンで、スタイルも良くて
びっくらこきまろ。
こんなイケメンを知らずに生きてきたなんて。
役としては、母親に捨てられ、でも自分は
迎えにきてもらえると思いながら養護施設で
育ったという過去を持つ、ベイビーブローカー。
表面上は強ぶっているんだけれども、
繊細な心の持ち主で、だからこそ
人の痛みが分かる男性と私は感じました。
その絶妙な表情と話し方が本当に上手くて、
演技に惚れ、痺れました・・・。

生まれてきてくれて、ありがとう

この映画でもっともグッと来たシーンです。
子供を売る前夜、みんなで寝る前のシーン。
イ・ジウンが全員にこのセリフを言います。
言い終わった後、養護施設から勝手に付いてきた
少年が、同じセリフをイ・ジウンに言います。

この映画の真髄は、ここだったのではと
今思います。

誕生日に「誕生日おめでとう」とは言っても
「生まれてきてくれて、ありがとう」は
なかなか言わないのではないでしょうか。

それを表面上は子供を捨てた母親が言う。
そしてそれを自分も言われる。
生まれるとは、生むとは、生きるとはを
考えさせられた場面でした。

思い通りにいかないのが人生

子供を虐待したり、殺したりする親もいれば
子供が欲しくて、不妊治療してもできない人もいる。

子供を虐待する親を肯定は絶対しませんが、
両者とも何かを抱えていると思います。

ないものねだりや、思い通りにいかないのが
人の生きる道なのかもしれません。

虐待を受け死んでいった子供がもし、
子供が欲しくてたまらない夫婦の元に
生まれていたならば。

完全なるたらればですが、もしかしたら
愛情をたっぷりに受け、育てられ
幸せに生きていたかもしれません。

「子供を捨てる」と文字で見ると
最悪最低な行為ですが、その裏には事情が
あったりする。でも、してはならないこと。
でもこの世界には、赤ちゃんポストも存在する。

考えれば考えるほど、でも、でも、でも、が
続いていってしまう。

妊娠をして産んだことに責任を果たせないので
あれば、責任を持って育ててくれる親の元で
育った方がいいのではないか。
血の繋がりだけが全てではないじゃないか。

いやそうなんだけど、そうじゃない。
そうじゃないけど、そう。

とてもじゃないが、すぐに答えを出せない
映画だったといったところでしょうか。

子と母親、子と親、家族とは、
血の繋がりとは、生まれてきたことの意味とは、
生きていくことの意味とは。
考えることがとにかくたくさんありました。

やっていることは、もちろん犯罪です。
でもこの映画の全てに是枝節炸裂のセリフ、
シーンが詰め込まれていました。
そのひとつひとつに胸がきゅーっとなり、
そのひとりひとりの登場人物になって考えることを
やめることができそうにもありません。

本当の悪とは、なんなのでしょう?
結論の出ない問いに、ため息が出ました。
ひとまず今晩は、そういうことにしておきます。

最後に一言、言わせていただきます

明後日の舞台挨拶、まじ行きたかった。
(当方、田舎暮らし)
(てか、そこかい)

あと、

このジュース出てきたよね?!?!?!
こちらわたくしが最後に渡韓した際、
最初に口にした飲み物でございます。
なんか笑えた。(笑)

あとIUがイメージモデルしてる
化粧水も出てきて韓国ドラマっぽいなーと
少し笑えました。(笑)

この記事が参加している募集

映画館の思い出

週末プロジェクト

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?