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【What's Up greenz!】グリーンズCOOの植原正太郎に、最近の仕事と暮らしのことを聞いてきた

こんにちは、グリーンズ広報スタッフの日菜子です! 普段はあまり聞けないけっこう深いところまで聞いちゃうnote限定企画「What's Up greenz!」。

グリーンズのメンバーって、どんな風に暮らしているの?
日々、どんな仕事や挑戦をしているの?
グリーンズに”いたい”と思う理由とは…?

などなど、ぐいぐいっと聞いていきますよ!「いかしあうつながり」とともに歩き始めているグリーンズの取り組みについても語られているので、お楽しみに。

greenz.jp副編集長のスズキコウタに引き続き話を聞いたのは、事業統括理事の植原正太郎(うえはら・しょうたろう)です。

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コロナ禍で生まれた「暮らしをつくる」こと

ー まず、最近の正太郎さんの暮らしを教えてください。リモートワークになって、どんな風に過ごしていますか?

我が家は共働きで子育てしているので、娘を保育園に届けたら、夫婦ふたりで黙々と自宅で仕事してますね。夕方には早めに仕事を切り上げて、保育園帰りの娘と一緒に近所の公園で遊んだり。コロナ禍の中での仕事と子育てはだいぶ板についてきました。

週末は「何かをつくること」にはまってて、春にはメダカのビオトープをDIYしました。けっこういい感じにつくれたんですよ。

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バケツコンポストに加えて、ミミズコンポストの運用も始まって、賃貸アパート生活の中でも着々と自分の手で暮らしをつくれるようになってきていると感じます。

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この写真はミミズコンポストです。

料理も凝ったものをつくっていて、フランス料理に挑戦したり、四川風の麻婆豆腐をつくったり、キューバサンドをつくったりとかしてます(笑)
これまで家でやってみたいなと思いながら、できていなかったことやれていますね。

ー 改めて、正太郎さんがグリーンズでなにをしてるのか教えてください!

グリーンズでは、主に経営を頑張っています!

記事執筆や編集はやってないけれど、それ以外は全部です。経営方針、資金繰り、プロジェクト、広報活動、greenz peopleなど、NPOグリーンズ全体のことを見ながら動いています。

去年くらいから自分の興味分野であるサステナビリティの領域でグリーンズの事業としてできることが生まれつつあり、うれしいなと思っています。自分の環境の変化もあって、よりグリーンズとしてできることが見えてきていますね。

ー 正太郎さんって「どんな人」だと周りから言われますか?

ちょっと前は、「パリピ」だと思われてました(笑) もともとダンスミュージックが好きだったしフェスも行ってたし、イベントもやっていましたからね。

でも娘が生まれてからパリピを卒業して、今はもうチルアウトするための音楽しか聴かないです(笑) だから今はパリピとも言われないし、周りからはどう思われているのかな。

今でもイベントや遊びなど企画して人を集めるのは好きなので、「ハッピーオーガーナイザー」といったところですかね(笑)

ー 最近、感謝したことはなんですか?

月並みだけど、家族に感謝しています。共働き、かつコロナの影響で仕事もバタバタしていますが、夫婦で支え合えているのがありがたいですね。

娘は世の中の状況を知らずにいつもニコニコしているので、その存在だけで心の拠り所です。

娘が生まれて視点が変わった。

ー いま、勉強していることはなんですか?

最近は、サステナビリティについて勉強しています。
これまでは社会の中の「人」に興味があって、地域やコミュニティを中心に勉強していたので、環境問題について見聞きはしていつつも勉強していなかったんです。

娘が生まれてから、ガラリと視点が変わりましたね。

環境問題に関心を持つようになって、それをビジネスがどのように引き起こしてしまっているかにも注目するようになりました。

今の暮らしとか経済って、僕ら人間にとって便利な仕組みですよね。でもそれが引き起こす問題は、あまり見ている人がいない。世界で起きているいろんな問題を突き詰めていくとビジネスの仕組みに課題があることは明らかで、そこを変えていかないとダメだと思っています。

今、世界中で新しいビジネスの形が模索されています。
例えば、これまでゴミとして捨てていたものを資源として循環利用する「サーキュラーエコノミー」という形。生態系とともに社会も経済も回復させることを目指す「リジェネレーション」という考え方など、気になっているキーワードはたくさんありますね。

ー正太郎さんが、グリーンズに「いたい」と思う理由は何ですか?

一言でいうと、14年続けてきたgreenz.jpを持つ僕らNPOグリーンズは、もっと組織の価値を高めていくことでよりよい社会をつくるムーブメントを生み出せると思っているからです。

僕にとって娘が生まれたことは本当に大きな意味があって。娘をみていると、自分のもっと下の世代のために未来をつくらないといけないな、としみじみ思います。

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ネイティブアメリカンには「Think about 7 generations ahead.(7世代先のことまで考えよ)」という考え方がありますよね。

いきなりそこまでとは言いませんが、孫の世代までは自分が変えていける射程圏内だと思っています。娘は22世紀を生きるし、その子どもはもっと長く生きていく。自然と、孫の世代までを自分ごとに思うようになりました。

気候変動の状況や地球の資源が枯渇していっているのを知って、娘がこれから生きていく社会ってどうなっちゃうんだろう。きっとすごく大変な時代を娘たちは生きていかなければいけないんだろう、って思うんです。

今のままいけばそうだけど、今の僕らの世代が変えていけば、子どもの時代はもう少しましな世の中になるかもしれないと思っているんです。

ー孫の世代まで自分ごとになるって、子どもを持つのはそんなにも視点が広がるものなんですね。

そうなんですよ(笑)

ただ、変えていくと言っても一人でできるものではないです。もちろん個人単位で取り組めることはありますが、周りの人たちとチームでやっていけば、より大きく変えられると思っています。

とくにグリーンズは「いかしあうつながり」を掲げていて、多様な分野のおもしろい人たちが周りにいてくれる組織です。その人たちと一緒に、みんなの力をいかしながら変化をつくっていきたいと思っていて、それは僕の得意分野だと思っています。

関わってくれる人たちの持っているの資源を、より成果が出てみんなが幸せになる形にマネジメントする。そんな僕の好きなことをいかしつつ、娘やもっと先の世代にとっていい社会をつくっていきたいですね。

関係性を構築し直していくことがビジネスにもサステナビリティにも必要なのではないか

ー「いかしあうつながりがあふれる社会」というビジョンについて、どう捉えていますか?

グリーンズがこのビジョンを掲げ始めたのは、2年前から。
最初のうちは、100%の解像度はなかったのを覚えています。スタッフみんなで合宿をして話し合いをしたり、実際にいかしあうつながりを体験していくうちに、だんだんと自分の言葉で語れるようになったと感じていますね。
僕がグリーンズにジョインした当初はgreenz peopleの担当で、そのコミュニティの中でコラボレーションが生まれたらいいなと思いながら活動していました。今振り返ってみると、あれも「関係性のデザイン」だったなと思います。

その後、greenz peopleの担当から離れて経営やビジネス面を見ていくようになって、1年前くらいからサステナビリティについて学び始めたら、これも関係性のデザインがうまくいっていないから起きているんだ、って思ったんです。限りある資源をどう使ったら多くの人が幸せになれるのかを考えることが、ビジネスの上での「いかしあうつながり」なんじゃないかって思いますね。

パーマカルチャー自体に大きな興味はなかったのですが、ガーデンとして見るのではなく「いかしあう関係性のデザイン」だと思って見てみると、人と人、自然と人の関係性を構築し直していることがわかるんです。たとえば、食べ残しをゴミ箱に捨てるのではなくコンポストに入れるようにすれば、土ができてまた食べ物を収穫できるようになり、捨てるよりもはるかに多くのメリットがある。

そういうちょっとした工夫も、いかしあうつながりだと思っています。
まず僕らのようにグリーンズに関わるメンバーが一人一人、自分の言葉でいかしあうつながりを語れるようになり、そこから社会に伝えていきたいですね。

ー正太郎さんは、どんな「いかしあう〇〇」をつくりたいですか?

僕がつくりたいのは、「いかしあう経済」です。
新型コロナウイルスの影響で、日本だけでなく世界中の経済が打撃を受けています。この状態は長期化するだろうし、しばらくはしんどい状況が続くだろうと思っています。

でも、事態が収束していったらもう一度経済を取り戻そうという動きが出ると思うんです。その時、「今まで通りの経済の取り戻し方でいいのか?」と問いたい。

もっとサーキュラーエコノミー的考え方を取り入れた仕組みを考えてみようとか、環境負荷がかからないやり方にしてみようとか、今こそサステナビリティへの取り組みをアップデートしていく時だと思うんです。

ーまさしく「いかしあう経済」だと正太郎さんが思った例はありますか?

サーキュラーエコノミーで有名なオランダ・アムステルダム市では、大企業が廃棄してしまうものを事前に情報共有し合い、廃棄予定だった資源を違う場所で流通させるジョイントベンチャーが生まれたそうです。
彼らは、メガバンクが銀行のスタッフのユニフォームを廃棄するということを知り、ユニフォームを繊維にしてくれる企業につなぎ、その繊維を断熱材に使ったり、住宅に使ったりしてくれる企業にもつなげた。ここまで徹底して循環させることができるんだ、って思いましたね。
こういう「いかしあう経済」をもっと日本でつくっていけるように、グリーンズとしても動いていきたいなと思っています。

スタディ&アクションコミュニティをつくるという挑戦

ー グリーンズでこれから何にチャレンジするんですか?

引き続き、グリーンズとして社会的な価値を出せるように経営を頑張ります。
あとは、もっとサステナビリティを軸に企業や自治体とプロジェクトをやっていきたいと思っています。たとえば、竹中工務店さん、Deep Japan Labさん、ココホレジャパンさんと一緒に取り組んでいる「キノマチ会議」は、国産の木材をもっと都市部でいかしていくことを探求していています。企業間の垣根を超えて、一緒に学んだりアクションをしたりできる仲間は、「いかしあう経済」に必要なことだと思っています。

つまり目指しているのは、企業と市民と自治体が交わるスタディ&アクションコミュニティです。

みんなで学び合いながら実現したい未来に向けて歩いていくような形は、もっともっと他の分野でもやっていきたい。水産資源や、飲食業界、再生エネルギー業界など、サステナビリティがキーになってくる分野は探求し甲斐があると思っています。

ーアクションの部分でコラボレーションをするというのはよく見る形ですが、スタディから一緒にやるというのはどういう意味があるんですか?

サステナビリティの領域は、みんなが不勉強だと思うからです。それは企業でも自治体でもそうで、何かサステナブルなアクションをバンバンやる前に、まずは学ぶことが大事だと思っています。

そのために、垣根なく一緒に学べる場所が必要。その領域に詳しい人もいれば、そうじゃない人もいて、情報をシェアしたりその企業や自治体ならではの視点でアドバイスすることでコミュニティ全体の学びの質が高まっていくと思います。

さらにスタディから一緒にやるいいところは、学んでいく過程でみんなが仲間になること。学びのフェーズで協力し合う土壌ができていれば、実際にアクションに移す時にお互いの持っている資源を出し合って進めやすいですよね。

ー 一緒に学ぶことで学びの質も高まって、関係性の質も高まる。よってより良いアクションにつながっていくんですね。最後に、読んでくれた人におすすめしたい、本や映画はありますか?

Netflixオリジナルのドキュメンタリーで、ポン・ジュノ監督の『オクジャ』をおすすめしたいです!

遺伝子操作で生み出された、排泄物も少なくて環境に優しくおいしいスーパーピッグと、共に育った少女の話。改めて、畜産業や科学の発展、日々食べているものなど様々なテーマについて考えさせられます。

でも、ポン・ジュノ監督の作品だけあってエンターテイメントとして観られるところもすごい。ぜひ観てみてください。

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植原正太郎(うえはらしょうたろう)
NPO法人グリーンズ COO/事業統括理事
1988年4月仙台生まれ。WEBマガジン「greenz.jp」を運営するNPO法人グリーンズで健やかな事業と組織づくりに励む。本業の傍ら、都会のど真ん中に畑をつくる「URBAN FARMERS CLUB」も展開中。循環型社会やサステナビリティについて勉強中。一児の父。


INFO: これからの時代の必修科目「サステナビリティ」を学ぶ Sustainability College開講中!


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2020年10月から、サステナビリティを継続的に学ぶオンラインスクールがスタートしました。

第二回以降の受講生の募集は、Twitterから随時更新していくので、気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。

サステイナビリティカレッジ公式Twitter:
https://twitter.com/sus_college?s=20



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