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【解説】第25話 PIにならないという選択(前半)

まとめ本に収録した各トピックの解説の全文を掲載

前後半に渡って展開したトピックです。実はこのトピックは「PIになるために重要なこと」を紹介するために立てたトピックです。どういう話を展開するのが良いかいろいろ悩んだ結果、「PIにならない」という話に収めることにしました。
 
ここではPIになるための1つの要素として自分の研究のオリジナリティー(個性)が重要であることを紹介しました。「自分の研究」の範囲は抽象的かもしれませんが、論文のコレスポンディングオーサー(コレスポ:責任著者)になることが一つの指標かもしれません。
 
これは分野によっても異なります。学生の頃からコレスポで論文を書かせてもらえる分野もあれば、准教授でも研究室所属であればPIがすべてコレスポになる分野もあります。一つの目安としてはその研究を行うための研究費を獲得した人になるかと思います。
 
今の日本では研究員として定年まで働くという実績がありません。2021年現在、ポスドクの最年長は50代半ばぐらいでしょうか?男女共に大学でプロジェクト雇用の研究員を続けている人は少ないように思います。
 
女性でプロジェクト雇用で大学に所属している人はよく見ますが、研究員としてではなく、実験補助や予算管理といったパートタイム雇用の場合が多いようです。博士を持っていてもPIを目指していない人に対しては研究員としてフルのお給料が支払われていないような現場の感覚があります。能力や経験に基づいた職種と待遇を継続できる世界であって欲しいです。 
 
 現在、ポスドクのお給料は雇い主の言い値です。公募要領には大学の規定に準ずると書かれていますが、この規定がどうにでも計算可能な状況になっています。
 
とある特任助教の待遇ですが、同じ人物でも計算方法によって300ー500万円ぐらい幅が出ます。アメリカでは数年前にポスドクの最低賃金が設定されました。日本でも何か規定ができると良いなと思います。と言っても研究費は変わらないので雇える人数が限られるなどの問題は出てきそうです。研究費と人件費を別にするような予算設定にする必要があると思います。


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