アナログ・デジタル複合楽器の提案

楽器というものはなかなか難しいものです.特に,デジタル化したのはここ最近のことです.チップの高性能化に伴い,知覚レベルで遅延のないレベルを実現できるようになりました.

一方で,デジタル化の課題はアナログ楽器ほど音色が豊かではないことです.これは,アナログ楽器の理解が進んでいない(研究され尽くしていない)ため,豊かな音色とは何か,という定義が未発達な段階なのかなと思っています.

例えば,今あるデジタル楽器の音色が豊かではない,と感じるのが品質の低いアンプが原因なのか,違うのか,そこの分離がまだ開発できるレベルまで降りていません.

デジタル楽器からすれば,周波数変調は簡単なので音色を作ること自体は難しくないです.しかし,良い音色を作るとなると,良い音色そのものの理解が必要になります.

では,音色の豊かな楽器をどうすれば作れるのか,というところも難しい話です.バイオリンのように演奏しやすく音が大きい楽器,というのは400年ほどの積み重ね・試行錯誤があったからです.

しかし,一つ言えることがあります.楽器というのは,意外にも自然現象の中でシンプルなものを採用している,ということです.

バイオリンやギターは複雑すぎますが,ピアノは弦を叩く機構があれば簡単に作れます(ハンマー機構を簡単に作れるとは言ってない).なんなら,弦を自分で叩く,というのも一つの方法なのかなとも思います.

金管楽器なども吹管の仕組みを利用しているだけに過ぎません.そうなると,話は非常に簡単だと思います.

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