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【折々のギフト 令和5年11月号】日本事情のギフト

11月15日は七五三参りの日である。
子供の成長を祝って神社・寺に七五三詣でを行うが、近年では該当日に限らないようだ。
旧暦の11月は収穫を終えてその実りを感謝する月で、併せて子供の成長を氏神に感謝することが江戸時代に始まった。なので七五三参りは古くからの習わしではないようだ。
両親はじめ家族でのお祝いで近親者からのお祝いが主である。数は少なくなりはしたが、盛装して千歳飴を持つ子供たちと親御さんを街で見かけると微笑ましさが倍増する。


日本的なギフトと言えば、真っ先に思い浮かべるのがお中元お歳暮である。
どちらも古くからある中国の慣習が日本に伝わったようだ。日本に古くからあった盆礼がお中元となり、年の暮れにお供え物を配る習慣と江戸時代に武家や商家の一年の感謝を込めた進物がお歳暮になったようだ。

近代の日本におけるギフトの礎となったのは江戸時代と言えるだろう。徳川三百年の泰平がギフト文化を成熟させた。江戸幕府が五節句を公的な祝日としたことも一例である。
1月7日七草の節句、3月3日桃の節句、5月5日端午の節句、7月7日七夕の節句、そして9月9日重陽の節句である。節句とは中国から奈良時代に伝わった風習を日本の生活様式に合わせて取り入れた年間行事である。神様に感謝のお供え物をして、のちにお供え物を分け合うことになった。

西洋にしても東洋にしても、ギフトと神事は離せないことかもしれない。
供の文字は神仏や身分が高い人に尊敬する気持ちで物を差し上げるという意味を持つ。
贈の文字は貝(金品)+曽(かさねる)で「金品を与えて増やす」という意味があるそうだ。
供え物が贈り物になったことは、『人→神』が『人→人』になったのではないだろうか。
願いを分かち合うことこそギフトの原点のような気がする。

贈り物相談室は、世界中の人と人に平和が訪れる「泰平のギフト文化」を推進します。


ギフト研究所事務局からのお知らせ

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