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ギフトパッケージの価値


バレンタインが近づいてきました。この時期、気になるのはバレンタインの商品がどんなパッケージで包まれているかという事です。パケ買い(商品の中身だけでなく、パッケージのデザインに惹かれて商品を購入すること)する方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はパッケージデザインについて考えてみました。

パッケージデザインの効果

商品のパッケージは、消費者の興味や関心を惹き、商品購入の動機を促す効果があります。購入後の満足度が高ければ、リピート購入にもつながり、更に商品価値を高めてブランドイメージを定着させることも期待できます。

こうした販売促進に効果があるパッケージデザインは、売上を拡大する大きな役割を担っています。また、商品のリブランディングには大きいなコストや時間もかかりますが、パッケージを変更することは比較的容易なことから、パッケージデザインだけを一新する販売戦略も少なくありません。

飲料や食品加工品のように形状が類似していて、他社との差別化をアピールするのが難しい商品の場合は、パッケージデザインで商品をPRする戦略が重要です。
ビールをはじめとした飲料メーカーでは、季節ごとにデザインを変更することで消費者に新鮮さを与えて購買意欲を掻き立てています。
実際にデザインを一新し、リニューアル後は売上が約1.5倍になったペットボトル飲料もあります。

ギフトにおけるパッケージの重要性

パッケージデザインには、上記のような意味がありますが、「製品に付随する包装資材」という認識が一般的です。
しかし、ギフト商品には「コミュニケーションとしての役割」があるので、パッケージデザインは贈り手が「商品を選ぶ際の重要な要素」になります。
パッケージを選択する基準は、贈る人、贈る相手によって違いがあるという研究結果もあります。

またギフトに用いられる飲料、食品、化粧品などは、パッケージは「商品の外装であり中身を守る」という重要な役割もあります。 

ギフト商品の企画・開発において「パッケージデザインは商品デザインと同じように重要である」という認識が必要です。

スティーブ・ジョブズとパッケージ

スティーブ・ジョブズはiPhoneの開発にあたりパッケージデザインにこだわりました。その結果iPhoneファンの間ではiPhoneの「開封の儀(英語のスラングで、Unboxing)」つまりiPhoneを箱から取り出すことが一つの儀式だと認識されています。
アップル社内には、これら「新製品の開封時、ユーザーの気持ちがどう喚起するか」を研究しているそうです。

まさにパッケージが包装資材としての機能だけではなく、
開封という「顧客体験(UX:ユーザーエクスペリエンス)」の価値をもたらし、パッケージがアップルのブランドを象徴する一つのアイコンになっているのです。

パッケージは「包む、保護する」だけではなく、UXデザインを含めてブランディングであり、マーケティングなのです。

まとめ

ギフトにおけるパッケージの役割はスティーブ・ジョブズがiPhoneで達成した「開封する喜びを喚起する」に加えて「贈り手の想いを伝える」UXデザインが重要になります。

ギフト研究所はブランドを構成する重要な要素である「ギフトパッケージのデザイン」にも研究の幅をひろげていきたいと考えています。


一般社団法人ギフト研究所ギフト
代表理事 山田晴久


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