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ジェンダーは、男性のグリーフケアにも影響をしていると思います

正月早々、こちらの note がわたしのツィッター上を賑わせていました

なかなか読むパワーが無かったのですが、ようやく読むことが出来ました。古賀さんの文章、とっても平易なのでぜひみさんにも読んでいただきたいです

さて、お話はその内容から思い出した、グリーフケアの場におけるジェンダー…というか、男女の違いのお話です。あくまでも科学的なことではなく、わたしが遺族の方々と触れてきた経験と実感からのお話ですので、その点はご承知置き下さい

古賀さんの note の中に男性のジェンダーロールの有害性として

本当に助けが必要な時にも助けを求めない可能性が高いとも言われています

という一節が出てきます。これ、実は、グリーフケアの場では非常に顕著です。わたしが観てきたどのピア・サポートやグリーフケアの場でも、男性の参加者は常に少数でした。いや正確には、男性がまったくいない方が多かったです

また男性は、一回はそうした場に来ても、継続して参加することが少ないです

そしてそもそも男性の参加者が少ないため、いたとしても若干孤立しがち。グリーフケアの場なのに女性の勢いというか、存在に気が引けている…と感じる場面も少なくありませんでした(それに気づいた際には、そっと、男性の参加者に添うことが、わたし達の合言葉でした)

男性も、女性も、こうした場に意を決して来られることに変わりはありません。何度も参加を躊躇して、会場の前でも躊躇して、それを何度も繰り返してやっと、ケアやサポートの場に来られます

ただそうした場に何度も重ねて足を運ぶのはやはり女性なのですね。わたしが加わっていた活動は、あまり積極的に参加者の後追いやフォローをしない形を取っていました。それが原因だったのかもしれませんが、男性の参加者が二度、三度と、継続して参加されることはほぼ無かったです

これを即、やっぱり男性は感情や想いを表出するのが苦手だからね、と言ってしまうのは良くないです。またそうならないための工夫がこちらに足りないのも確かなのですが、それでも、男性はやはり、助けを出しにくいのかな…と感じています

ただその一方で、伴侶を亡くした方の自殺のリスクは(特に中高年では)男性ほど高いと言われています。ですから、サポートやケアの場を提供する側としては、男女に関係無く、そうした場を活用して欲しいと願っていますし。相談すること、悩みを話してもらうこと。そして自分の弱さや涙を見せることを、躊躇しないで欲しいと思っています

ただそうしたことを実現するには、男性の当事者だけが集まれる場を用意した方がいまはよいのかもしれません。そうすることで参加へのハードルが下がり、安心して参加できるようになるのであれば、それも一つの方法です

ただいまの日本にはこうした場はほぼ無いのではないかと思います。それはわたし達、グリーフとそのケアやサポートを提供する側の課題だと言えます

さて、このお話は今日はここまです。この後、こうした男性向けのグリーフケアの場に関連したお話を一つ紹介させていただきます。男性が参加出来る場の少なさは、なにも、日本に限ったことではありません。それを探し歩いたある海外の有名人の方のお話になります

続く


デス・カフェ@東京主催。ヒトやペットの区別をしない、死別・喪失のサポート、グリーフケアのお話をしています