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私たちは思っているよりずっと聴こえているし、感じている

少し前のことになりますが、コーチ仲間の皆さんと共に、駒澤大学にてキャリアデザインの講義に参加してきました。

1年生の皆さんを対象に土曜日に開かれているこの授業。

半期の最終講義というタイミングでこれまでのキャリアをお伝えしたり、就職活動に向けた皆さんの『自己紹介トーク』に関するフィードバックをお伝えする、という大変インタラクティブな講義でした。

2021年より大学生の皆さんと関わる機会を広げ、コーチングや対話というものをお伝えしたり、学生の皆さんが今どんなことを考えたり感じているのかお聴きする時間を持ってきたのですが、その中で私が一つ意識していることがあります。

意識的に関わっていることとは

それは

『私が先にアドバイスや意見を話す前に、まず学生の皆さんが感じ取っていることを聴く』

ということです。

学生の皆さんからすると『社会人或いはプロコーチがここにやってきたんだから何か吸収しよう、聞こう』という方が多いと思うのですが、私はこちらからすぐにアドバイスや意見を言わないようにしています。

これには意図があります。

どんな意図かというと『実は自分には何かを感じ取る力や聴きとる力が十分にある、と気づいてもらうこと』です。

私達は、実は結構聴こえているし、感じている

学生の皆さんとの対話の様子

これは普段プロコーチとして活動していたり、コーアクティブ・コーチングをお伝えする中でも感じることなのですが、多くの方はコーチングというものを事細かにお伝えしなくても『人の話から何かを感じ取り、それを言葉にして相手に伝える』という事を本能的・直感的にされています。

ただそれに気が付いていない、だけなのです。

今回駒澤大学でも、ある一人の学生さんが緊張しながら自己紹介をしているのを他の学生さんがとても真剣に聴いていらっしゃいました。

それを見て私は『今、Aさんの自己紹介を聴いて、この方はどんな人だなって感じましたか?』と唐突にBさん、Cさんに尋ねてみました。

二人はもちろん私がフィードバックするものと思っていたので、一瞬戸惑いながらも『誠実で一生懸命な人』『一つのことに打ち込みながら、幅広いチャレンジもしたいと思う、エネルギーのある人』と答えてくれました。

その言葉を聴いて、自己紹介をしたAさんはとても嬉しそうでした。実際にそんなことを表現していなくても、その場の空気で十分に伝わっている、ということを実感したようでした。

聴く、聴かれる、という体験を届けたい

私は、大学生にいきなりコーチングをお伝えする前に、こうした『聴く、聴かれる』というちょっとした体験をお伝えしたい、と強く思っています。

本を読まなくても、セミナーに行かなくても、実はその能力を十分に持ち備えている自分だ、と気が付くだけで、人はその力を使うようになるから。

その上で、もっと磨きたい、コーチングを人生に活用したい、コーチになりたい、と思った時に、学びにコミットすればよいのです。そんな風に考えています。

こういうちょっとした関わりが『自分は人の話から何かを感じ取れるんだ』という自己信頼に繋がり、相手の話を真剣に聴いたり、自分の話を真剣に聴いてほしいとリクエストすることに繋がると思うのです。

コーチングやコーチング的なコミュニケーションは本来『日常的』なもの。今年もこうして少しでも多くの方にコーアクティブ・コーチングをエッセンスをお届けすることができれば、と願っています。人生にきっと役立つから。

ワクワクの一年を予感させる素晴らしいスタートの一日になりました。今回ご一緒した皆様、素敵な場をありがとうございました!

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