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【書評】2030年教師の仕事はこう変わる!西川純

5年前には感じられなかった現実感

2018年に発行された西川純先生の「2030年教師の仕事はこう変わる」を読んだ。5年前に読んだ時には、正直「ふ〜ん。そうなのね」と言ったくらいで本気で受け止めてはいなかった。なんせ、西川先生の語られる教師の仕事があまりにも現在の学校で勤めている教師の仕事とはかけ離れているからだ。

学校は変わらざるを得ない状況

しかし、今回手に取った時には、前回読んだときには感じなかった現実感を得たような気持ちになった。確かに、西川先生の言うような形で学校は変わっていくかもしれない。いや、変わらざるを得なくなる。なぜならば、現在の学校体制に「否」を出している子ども、保護者そして教師及び教師志望者が激増しているからだ。

先日の不登校調査によって、現在30万人近くの不登校児童・生徒が存在することが明らかになった。そして、この調査には示されていない不登校も数多く存在する。(フリースクールに登校している場合は出席扱いになるので、不登校としてはカウントされないため)そして、各地では教員不足の学校も激増し、教員採用試験は年々倍率を下げてしまっている。

このような状況の中で、今の学校制度を維持していくことには限界がある。本著には学校が独立行政法人化する未来も示唆している。独立行政法人化すると、教師の仕事も大きく変わってしまうだろう。

そんな心配をして、ネット検索をしてみると、公立高校の独立行政法人化することについて記述されているネット記事も。

教師の仕事はどうなる?

本著では、教師の仕事は「教える」ことは求められないとしている。
多様な繋がりを持ち、環境を整えることが求められてくる。例えば、地域のプロフェッショナルと繋がり、教育活動を共にしていくように調整をしたり、助成金を申請することで子どもが学習に向かっていく環境を整えたりするようなことだ。

教師の仕事が大きく変わる中で、自分自身がどうしていけば良いか…。と考えてしまう。まずは、今やっていることをとことんやってみようと思う。育児休暇中で、学校を外から見ることができる貴重な機会。そこでは、これまで関わることがなかった人たちと関わるようになった。これからも多様な人と関わりを持つ機会に足を運ぶとともに、自分自身が多様な方が集まり教育について考えうことができる場を用意する。そして、教育について共に考えて実行できる仲間を得ていくことをやっていきたい。

いきなり大きな一歩を踏み出すことはできないが、まずは小さくても一歩を踏み出すことをやっていきたい。それが今の自分にできることだ。

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