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外資系企業と数値目標の良し悪し

先日、同僚と業績評価(パフォーマンスレビュー)の話になり、数値化された目標に対する評価と数値化されない目標に対する評価の違いの話で盛り上がった。お互い、様々な会社でキャリアを重ねてきて両方を経験してきたのだが、それぞれ良し悪しがある。今回はその辺りの話。


直接部門と間接部門

外資に中途で入った場合、一定のパフォーマンスを期待され、それに対する数値目標がある訳だが、分かりやすいのは営業だろう。ベースとなるサラリーがあり、それに対して会社から与えられた売上数値目標とそれに対する達成具合によってボーナスが決まる。もちろんそれ以外にも評価基準はあるが、個人、あるいはそのチームが抱えている売上目標が一つの指標として活用される。

これに対して、いわゆる間接部門は、総務、経理、人事、エンジニアリング、カスタマーサポートその他、会社の環境を整えることを主とするので直接的な数値目標は持ちにくい。会社によるだろうが、同じようにベースサラリー+ボーナスの給与だとしても、指標は売上の数字ではない。

間接部門でも徹底的な数値化

私が以前在籍していた大手外資ITはデーターを重要視し、全てのオペレーションに対し徹底的な数値化する会社だった。私は間接部門で営業チームと密に仕事をするポジションだったのだが、自分が関わっているどのプロジェクトであれ四半期ごとに目標設定をし、それを上司とどのように数値化して測るか協議し互いに合意の上、その進捗をチェックしたりした。

具体的な例としてはイベントを開催したら目標集客数と実際の参加者数、参加者の満足度を全て数値化して目標Xに対し、%を達成、参加者の満足度は%でこのようなコメントがあった(良かった点、改善点)と言った感じだ。他にもプロダクトのユーザー浸透率を現状、目標、それに対する進捗などで測ったりする。

数値化が関わらない間接部門の話

そんな環境に6年半以上いて、何でも数値化する事に多少の疲れも感じていた頃に次の転職先との出会いがあった。コンテンツ系の仕事で私のポジションは部署の売上とはリンクせず、かつ評価も数値化されないとの話。馴染みのある仕事だった事もあり、そこに参加する事にした。

目標が数値化されていると、行動の多くが数値目標をクリアする事に直結するため、どこまで行っても学校の試験をクリアするような気分になる時があった。そんな時にユーザーにコンテンツを提供するという形の仕事についたのは、仕事のやりがいとしてとても良い話だった。

上司と話が噛み合わなくなるまでは。

ゴールが数値化されていない場合、評価はどこまで行っても主観であり、他のメンバーの声を集めたとしても恣意的となり得る。仕事の内容とその評価について話が合わなくなった際、評価される側は圧倒的に不利。結局、噛み合わなくなった歯車を元に戻すことは出来ず、一年強でそこを離れることにした。

会社の文化と仕組み、上司との相性

外資あるあるだが、直属の上司は生殺与奪権を握っているので、上司との相性は必須。良ければ一気に引き上げてもらえるし、上司が変わって悪くなったら一気に次のポジションを探すことが最優先事項ともなり得る。営業含めて、全ての目標が数値化されていて達成していたとしても、上司の腹一つで評価が下がるリスクは常にある(経験談)。

そんな学びをベースに新しい職場で1ヶ月半が過ぎた。今回のポジションも間接部門なので売上とは直結しないが、広義で売上が伸びるよう営業部隊をサポートするのがミッションとなる。細かなゴール設定はこれからだが、ここも数値化ベースなので、上司ときちんと話し合って決めていく予定。

気がつけば外資IT業界も12年近く、4社目となって我ながらびっくりである。さて、どうなる事やら。

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