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〈ショートショート〉悲劇の幕は下りた

 僕と彼女は家が隣同士なんていうべたな始まりで、学校に行く時も帰る時も一緒で、気がつけばそばにいるのが当たり前だった。彼女は誰もが振り返る美貌の持ち主で、それに比べて僕は冴えないままだったけど、彼女の恋人でいられる毎日が幸せだった。

 だけど彼女が事故にあった夜、僕は近くにいたにも関わらず彼女を守ることができなかった。彼女はその事故で両脚と美しい顔の一部を失った。だけど僕の愛はそんなことでは変わらない。家に引きこもるようになった彼女のところへ毎日のように顔をだした。

 ある日、彼女はいつものように外を眺めていたけど「お願いがあるの」そう言った。(珍しい)そう思いながらも願いを叶えることを彼女への変わらぬ愛の証明にしたかった。

 「君の願いならなんでも」そういうと彼女は僕を近くに呼び耳元で囁いた。

 翌朝、彼女が首をつった状態で見つかったと聞かされた。僕は人目をはばからず泣いた。


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