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【5分要約】Vol.3_君たちはどう生きるか

こんにちは、GOMIE(ゴミー)です。

今回取り上げる本は、260万部突破。
空前の大ヒットとなり、2018年最も売れた『漫画版:君たちはどう生きるか』です。

1937年と約80年前に出版された歴史的名著「君たちはどう生きるか」を、
池上彰、宮崎駿、糸井重里というそうそうたるメンバーが絶賛したことで話題になりました。
今回も5分で読めるように要約していきます。


■この本から学べること
 ・自分を客観視することの大切さ
 ・経験することの大切さ
 ・自分を信じることの大切さ
■著者情報
 吉野源三郎
 編集者・児童文学者

 ・1899(明治32)〜1981(昭和56)年
 ・東京大学哲学科卒業
 ・雑誌『世界』初代編集長。岩波少年文庫の創設にも尽力。

◆あらすじ

物語の舞台は1937年、約80年前の東京。主な登場人物は、コペル君と呼ばれる中学生男子(主人公)と親戚のニートの叔父さんの2人です。

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いじめ問題や親友との約束、貧しい家庭の友達との接し方といった、中学生らしい悩みに苦しむコペル君に、叔父さんがノートを通じてアドバイスします。
そんなノートは6回登場します。

① ものの見方
② 真実の経験
③ 人間の結びつき
④ 人間であるからには
⑤ 偉大な人間とはどんな人か
⑥ 人間の悩みと、過ちと、偉大さ

どれも勉強になる内容ですが、今回は特に重要なポイント
①ものの見方 ⑤偉大な人間とはどんな人か ⑥人間の悩みと、過ちと、偉大さ
この3つに絞って解説していきます。

◆ものの見方

<POINT>
自分は世の中の一部でしかないという視点を持て

コペル君はある日、叔父さんと銀座のデパートの屋上に立っていました。
東京の街を見下ろし、数えきれない人たちが色んな方向に歩いている様子を見て、ふと理科の授業で習った「すべての物質は細かい分子の集まり」ということを思い出します。

「人間もまるで分子みたいだ」


これを聞いた叔父さんは、コペル君にノートを書きます。
「俯瞰的に自分を捉えられたのはすごい。まるでコペルニクスみたいな視点の切り替えだ」と。

コペルニクスは、ずっと地球を中心に宇宙が動いているという天動説が常識とされていた中で、宇宙全体を俯瞰的に捉えて、実は宇宙の中で地球が動いていると地動説を唱えたあの人です。

当時はキリスト教に反する危険思想として弾圧され、地動説に味方する人まで迫害されました。
自分たちが住む場所が中心ではないという考えは、長い間受け入れられなかったのです。

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このように人間は、すぐに自分が中心だと思ってしまう生き物です。
特に損得に関わることになると、自分都合の判断から離れて考えられなくなります。

見返りを求めず世のため、人のために尽くせる人間になるためには、
まず自分が中心という考え方を捨てることが第一歩
ということを、ノートでは教えてくれています。

ちなみに、コペル君という名前は、この気付きを決して忘れないでほしいという想いを込めて、叔父さんがコペルニクスから付けたあだ名でした。

◆偉大な人間とはどんな人か

<POINT>
偉大な人間になるには経験を積むこと

ある日、事件が起きます。

コペル君のクラスに浦川君という貧しい家庭の友達がおり、弁当がいつも油揚だったため、山口という意地悪なクラスメイトに「アブラゲ」と呼ばれ馬鹿にされていました。
さらにいじめがエスカレートしたある日、ついにガッチンという友達が猛抗議します。
山口に殴り掛かったガッチンを見ていた他の友達も、追随して飛び出していったその時、

「もうやめて!」

イジメられていた浦川君が喧嘩を止めるのです。

一連の騒動を見たコペル君は、ガッチンと浦川君の行動・勇気に衝撃を受けます。そして、その話を聞いた叔父さんからノートが届きました。

「立派な人ってどんな人かな?叔父さんがその定義を教えても、いくら本を読んでも分からないだろう。実際に体験してみないと本当の意味が分からない事が、世の中にはたくさんあるんだ」

例えば、水が水素と酸素からできていることを教えることはできますが、
汲んできた井戸の水の味、喉越し、飲んでどんな気持ちになるのかを人に教えることはできません。

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だから、実際に経験して、考えて、その時感じた気持ちを味わって、それを忘れないでほしい。
学校で教わる世間で立派だとされる行いをただなぞるだけでは「立派そうな人」になれるだけで、深みのある人間にはなれないということが、このノートからのメッセージです。

◆人間の悩みと、過ちと、偉大さ

<POINT>
周りに流されず、自分の心に従って行動しよう

ある日、コペル君はガッチンを裏切ってしまいます。

ガッチンが悪い奴らにボコボコにされ、さらに他の友達もみんなやられてしまいます。
そして、コペル君はそんな場面になったら「絶対に俺が守る」と約束していたにも関わらず、どうしても怖くて隠れてしまったのです。
しかも、その姿をみんなに見られてしまいました。

結果、友達と疎遠になり、仲直りしたいけどどうすればいいのか分からない…
そんな悩みを抱えていたコペル君のもとにノートが届きます。

「友達が君のことをどう思うかなんて関係ない。
 余計なことを考えず、シンプルに君は今どうすべきだと思う?」

自分でコントロールできない人の気持ちの事ばかり考えていたんです。

「裏切り者って呼ばれてるんじゃないか」
「絶交だと言われるんじゃないか」
「謝っても許してもらえないんじゃないか」

そして、コペル君は気が付きます。

「絶交されようが、殴られようが、とにかく僕が今できることは謝ることしかない」と。


大人になっても「どう思われているんだろう」と考えることはありますよね。しかし、そんなことはすべて相手の課題で、考えたところでどうしようもないんです。
大切なのは、まずは今自分ができること、したいことは何かを考えることに集中すること。
そして、自分の道を信じて行動することです。

頭の中だけに閉じ込めているものに意味はありません。

自分の道を信じて行動した結果、失敗することもあるかもしれません。

でも、結果がどうであったとしても、自分を信じて行動した自分を好きになれる、
そんな想いがこのノートには込められています。

◆最後に

ここまで叔父さんのノートのポイントをまとめてきましたが、
実は自己啓発本に書かれているような「○○しろ」といった明確な答えは書かれていません。

コペル君自身が悩みについて考え、行動し、どうにか乗り越えていく過程に我々読者も一緒に向き合う。そして、それを通じて読者自身での気付きを与えてくれる本になっています。

いまは昔に比べて、色々な選択肢のある恵まれた時代になりました。
裏を返すと、自分を持っていないと社会の荒波に流されやすい時代でもあります。

「自分の人生ってどうありたいんだろう」

是非この機会に、普段生活している中でなかなか考えることのないこの少し青臭い、そして壮大なテーマに想いを巡らせてみてはいかがでしょうか。


今回は以上になります。
最後までお読み頂きありがとうございました。
今後も仕事や人生に役立つ情報をどんどんアップしていきますので、覗きにきてください。

ではまた!

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