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【詩】占い

まっさらな青空へ放り投げる
おまえのまっさらなスニーカーよ
この世にうまれて宙を舞い
やわらかな草むらに抱かれる日
おまえのまっさらなスニーカーよ
この世界をくつがえすのだ

恵の雨と、寒さとを
もろともに吹き飛ばす力強き
そのおろしたての白さ
まっすぐにゆけよ
大地を越えて、父の背丈も越えてゆけ
決して振り向くな
眩しいゴムの靴底で
けわしい道も踏みしめて
まっすぐ まっすぐ 進んでゆけ

おまえの道は晴ればかり
いずれくたびれ往来に斃れるときがきたとしても
おまえの道は晴ればかり
決して奢らずゆくのだぞ

その頼りない靴底が
弱音を吐いても汚れても
おまえが決めた道だけは
頑と踏みしめ行ってくれ

大地に足をつけるのだ
おまえのまっさらなスニーカーが
しっかり表を向くように
おまえのまっさらなスニーカーが
晴れ、とあしたを指すように








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