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軍用地料の算定方法について

12月に出版するため、不動産会社の担当者から、最近の軍用地市場や軍用地にまつわるエピソード、購入する際の注意ポイントを取材しました。

非常に有意義な情報が集まりました。私も、初めて耳にする内容でした。早く皆さんにお届けできるよう頑張ります。ぜひ、楽しみに待っていてください。

また、不動産会社以外にも、軍用地主や、軍用地を購入する一歩手前の方にも取材を重ねています。

主に、①軍用地を知るきっかけ、②なぜ軍用地投資を始めたいのか?、③地主になって良かったこと、心の変化を中心にお聞きしました。

①軍用地を知るきっかけ、②なぜ軍用地投資を始めたいのか?については、県内・県外ともに同じような回答が多かったです。

①軍用地を知るきっかけは、親が軍用地主だった、基地が目の前にあった、業務上、地主と関わることが多い、新聞やネットニュース、書籍などを通して、軍用地を知ることができたそうです。

②なぜ軍用地投資を始めたいのか?については、老後の年金不安、ペーパー資産は無くなるが、土地は残ると考えて、軍用地投資を始める方がいらっしゃいました。

最近では、ウクライナ侵攻による世界情勢の不安、高くなり過ぎた株価がリスクになってきたので、安定資産の軍用地に組み替えたいなどの理由もありました。

県外の方には、軍用地が外国人に買われるなら、自分が軍用地を守りたい!との熱い心で、軍用地を買い続ける方もいました。素晴らしいです。

③地主になって良かったこと、心の変化が、取材して一番面白かったです。へぇ~そういうこともあるんだ!と聞いていて、目から鱗が落ちました。詳細は、本を購入して読んでください。

軍用地料の算定方法について

前置きが大分長くなりましたが、読者から質問で、なぜ、賃借料明細書や登記簿謄本の地目が、雑種地なのに、現況では、建物が建ってたりするのでしょうか?と聞かれることがあります。

一般社団法人沖縄県軍用地等地主会連合会(土地連)が発行した「土地連30年のあゆみ」によると、復帰前の軍用地料の算定がベースとなって、現在の算定方法に引き継がれていることが分かりました。

復帰前の軍用地料は、接収時の地目別に24等級に区別されていました。嘉手納基地のように周辺の開発が進んでいるにも関わらず、接収時、原野だったのは、そのまま原野として評価されていました。

そのため軍用地料は、低く据え置かれる結果となりました。復帰の際、地主の要求もあって、政府は、見直しを行いました。

嘉手納以南の基地は、「基地に接収されていなかければ、周辺の民間地と同じようい開発されていたであだろう」との観点から、「宅地」以外の畑、原野などを「宅地見込み地」

嘉手納以北は、「宅地」、「宅地見込み地」以外に「農地」と原野、山林を「農地見込み地」として地目を設定しました。

さらに、嘉手納飛行場のように同一施設同一地目の個々の地価を加重平均して地料を算定する「一施設一評価方式」を採用しました。

現在も「一施設一評価方式」を採用されていますが、嘉手納町、沖縄市、北谷町にまたがる嘉手納飛行場においては、特に北谷町の地価が、嘉手納町や沖縄市より高いため、「一施設一評価方式」が仇となっています。

特に、北谷町の1㎡当たりの固定資産税は、嘉手納町と沖縄市の1㎡当たりの固定資産税の平均値と比べて、約30%以上も高い値を示しました。

これでは、北谷町の地主は納得できないと思います。ですが、復帰前から続いている「一施設一評価方式」を解消するには、嘉手納町と沖縄市の地主会を説得するしか方法はありません。

復帰後、沖縄県は、著しい発展を築いてきました。基地があるゆえに、軍用地主は、周囲から取り残された歴史があります。

軍用地は、地料というフローに注目しがちですが、最近、軍用地自体を軽く見ている傾向にあります。

「土地連30年のあゆみ」を通して、先人が築いてきた軍用地の重みを学ぶことができたのは、地主にとって、貴重な財産になりました。

最後までご覧いただきありがとうございます。
出会いに感謝です!

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