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炭水化物は、脂質、タンパク質とともに3大栄養素のひとつで、脳や体を動かすといった主にエネルギー源として利用される大切な栄養素です。体内の消化酵素で消化できる「糖質」と、消化されない「食物繊維」に分けられます。

糖質は、体内で消化吸収されてブドウ糖となり、筋肉や脳のエネルギー源として使われます。
脳は、ブドウ糖を唯一のエネルギー源として使うといわれています。糖質が不足すると、集中力や思考力が低下したり、疲れやすくなったりすることも多いでしょう。つまり、私たちが生活していく上で、糖質は欠かすことのできないエネルギー源なのです。



炭水化物の種類


炭水化物(糖質)は、もともと植物のなかでつくられます。植物は太陽光線のエネルギーによって、二酸化炭素と水からブドウ糖をつくります。そしてブドウ糖が数多く結合することによって、デンプンなどの糖質がつくられるのです。 糖質の中で一番小さいものが、ブドウ糖に代表される「単糖類」です。単糖類には他に果糖やガラクトース、マンノースなどがあります。 (主な単糖類の種類とその性質)





・ブドウ糖(グルコース)


果物や野菜などに含まれ、特にブドウに多く含まれるため、ブドウ糖と呼ばれる。特に脳や赤血球の主要なエネルギー源となり、血液中に約0.1%存在する。他の糖類は消化吸収されたり、肝臓で変換されたりして最終的にグルコースとなり、血液中を運ばれる。



・果糖(フルクトース)


果物やハチミツに多く含まれ、非常に甘みが強い。ショ糖やイヌリンの構成成分ともなる。中性脂肪や尿酸を増やす作用があるため、大量に摂取することは控えるようにしたい。



・ガラクトース


乳製品に含まれる乳糖を分解すると、ガラクトースとブドウ糖になる。天然にはガラクトースの形では存在しない。乳糖の摂取過多はガラクトースの摂取過多になり、白内障の原因になるという説もある。



・マンノース


こんにゃくマンナンなど、食物繊維のマンナンの成分となる。 そして単糖類の分子が二つくっついて、そこから1分子の水が外れると、「二糖類」になります。これにはショ糖(砂糖)や麦芽糖、乳糖などが挙げられます。他にイソマルトースやトレハロースも二糖類の仲間です。 (主な二糖類の種類とその性質)

・ショ糖(スクロース)


砂糖のこと。ブドウ糖1分子と果糖1分子からなる。天然ではサトウキビやテンサイなどに含まれ、調味料や菓子の原料として広く用いられている。砂糖を多く摂取することは果糖を多く摂取することにつながり、これが砂糖の問題点でもある。

・乳糖(ラクトース)


ガラクトースとブドウ糖が結合すると乳糖になる。母乳には約6.7%、牛乳には約4.5%含まれている。アジア人には乳糖を分解する酵素が少ない場合が多く、乳糖を摂取することによって膨満感や下痢などを引き起こすことがある。これを「乳糖不耐性」と呼ぶ。



・麦芽糖(マルトース)


グルコースの分子が2つ結合すると、麦芽糖になる。麦の発芽時に生じるため、この名前がついた。腸において発酵しやすいため便通を促す作用がある。 そして単糖類が数多くくっついたものを、「多糖類」と呼びます。その代表的なものが、「デンプン」です。そしてデンプンを酵素や酸でこまかく分解すると、「デキストリン」になります。 またセルロースやイヌリンなどの食物繊維も多糖類の仲間に含まれます。


糖質の運命

単糖類は消化の必要がありませんが、二糖類や多糖類は消化酵素によって細かくされる必要があります。では、口から入れた糖質の運命はどうなるのでしょうか。
まず唾液中のアミラーゼにより、デンプンやデキストリンが分解されます。しかし、口の中に停滞する時間は短いため、その作用はわずかです。逆に言えば、口の中でよく噛んで食べるようにすれば、アミラーゼがよく働いて、消化が良くなるということ。  お米をよく噛んでデンプンにアミラーゼを働かせてブドウ糖にまで分解することができると、ブドウ糖の甘味を感じるようになります。 そして胃の中に入ってからも、引き続きアミラーゼの作用が持続されます。唾液に含まれるアミラーゼは胃酸によって作用が停止してしまいますが、そうなるまでに30分ほどかかりますので、それまでの間は消化作用が続きます。
アミロプシンによってデンプンやデキストリンはマルトースやグルコース(ブドウ糖)、イソマルトースにまで消化されます。マルトースはマルターゼによってグルコースに分解され、イソマルトースはオリゴ-1,6グリコシダーゼによってグルコースに分解されます。 なお、ラクトースはラクターゼ、スクロースはスクラーゼによって、それぞれ単糖類に分解されます。 このようにして単糖類(グルコースやフルクトース、ガラクトース)にまで分解された糖質は、小腸から吸収されて門脈を通り、肝臓に送られます。そしてフルクトースやガラクトースも結局はグルコースに変換され、グリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄えられたり、血糖として血液中を移動したりします。


新糖生について


 厚生労働省の策定した「日本人の食事摂取基準」によると、糖質は総エネルギーの50~70%を目指すべしとされています。活動レベルの高い人の場合、一日の総エネルギーはだいたい3000kcalが必要だとされているため、その50~70%となると
1500~2100kcal。炭水化物は1gあたり4kcalですので、375~525gが厚生労働省の定める数値ということになります。 しかし、食事でこれだけの糖質を摂取できるとは限りません。胃腸の調子が悪かったり、食事できなかったりなどで糖質が摂取できないと、エネルギーが確保できなくなります。特に赤血球は糖質を唯一のエネルギー源にしているので、糖質が足りないと問題です。 このような場合に備えて体内で糖を新しく合成する経路があります。それが「糖新生」アミノ酸や乳酸、グリセロールなどを材料として、ブドウ糖を新たに産み出すことができるのです。 ただし問題もあります。糖新生は筋肉から取り出されたアミノ酸も材料にするからです。つまり糖新生が活発になるほど、筋肉が壊されてしまうことになります。 糖質がゼロに近い状態だと、一日にブドウ糖がつくられる量は80g程度とされています。また糖新生は決して効率の良い経路ではありません。糖新生を活発にすることにより、ダイエットが簡単になるはずです。「筋肉が落ちても構わないから、とにかく体重を減らしたい」というのであれば、糖質の摂取を減らして糖新生を活発にすることも有効な手段となるでしょう。



まとめ(part①)

今回は炭水化物について(part①)でした。
炭水化物の種類や、体の中に入った後の流れなどを書いていきました。次の記事(part②)では、この炭水化物たちとの付き合い方や摂取方法。僕が実際に摂っている方法などを書きたいと思います🏋️

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以上、パーソナルトレーナーの山城でした。

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