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【妻に捧げる読書note】我慢して生きるほど人生は長くない(by 鈴木裕介)

疲れた人を癒すエッセイのような本かと思ったら、心療内科医の人が書いた実践的な本だった。とても読みやすかった。

要点

  • ラインオーバー(自分と他人の境界線を越えてしまうこと)に注意を払う:自分の領域にずかずかと入りこまれて、嫌な気持ちになる。それを我慢するのではなく、今ラインオーバーされた、ということを自覚し、そういった人とは距離を置こう。ラインオーバーに慣れてしまって、自分と他人の境界線があいまいになると、自分も他人に対して境界線を越えてしまいがちになる。

  • 思い込みを捨て、自分らしい人生を取り戻す:世の中の与える価値観からくる、「やりたいことは必ず持つべき」、「地位材(家や車、海外旅行など)を持つことが人間としてすばらしい」などの考えにとらわれているなら、それが自分らしい人生なのか、他人に定義されたものを追い求めているだけではないのか、と立ち止まって考えてみる。

  • 「何はなくとも、自分は自分であって大丈夫」と思えるか=自己肯定感:たとえ欠損や欠点だらけでも、誇れるものが無くても、そんな自分自身を丸ごと受け入れ、愛することができる、それが自己肯定感。よく、自己評価と混同されるが、自己評価は自分の能力、仕事の成果や努力、用紙などに対し、外部から取り込んだ一定の価値基準をもとに、自分自身が下す評価である。自己評価が高くても、自己肯定感が低い人はたくさんいる。むしろ、自己肯定感が低い人は、自己評価を上げようと努力し、優秀であることも多い。しかし、基準を満たしているとき(自己評価が高いとき)しか、「自分はOKだ」と思うことができない。

  • 自己肯定感を養うには、「本当に信頼できる一人目の大人」と出会えるかが重要。幸いにして、親がそういう人であるなら良いが、そうでない人は大勢いる。また、いまだ出会えていないという人も多い。「NOを言い、それを受け入れてもらえる」という安心感を持てる大人と出会えると、自己肯定感を高めることができる。

  • 心のSOS、身体のSOSに耳を傾けよう:いろいろな社会的な価値観から、我慢してしまいがちな世の中ではあるが、「嫌なことから逃げる」「不本意なことを拒否する」「合わないことをやめる」といった技術を習得し、心地よく生きていこう。特に、身体が悲鳴を上げて、「動悸がする」「眠れない」「頭が痛い」「気持ちが悪い」などの症状があらわれたときは、決して無視せずに何らかの対応をしてあげよう。

響いた内容

自分の自己肯定感は実は低いのではないか、自己評価にすがってこれまで生きてきたのかもしれない、と気づくことができた。

こんな人に読んでほしい

我慢して生きている人。


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