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郡上訪問記②〜ここは一匹狼の里〜

こちらからの続きです。どうぞ。

私が面白い人を求めて辿り着いた土地、郡上八幡。


お盆に徹夜で踊る徹夜踊りが有名で、
実際に行ったら、お盆だけじゃなく、前後31日。7月〜9月まで踊りまくっているという。


あたしゃ、文化に感動した!
絶対に面白い人がいるだろう!!!!


しかし、探しても探しても手掛かり掴めず、ついぞ迎えた滞在最終日。私は、ただ城下町を眺め、ただ良い水(名水百選なの。)にひたって終わるのか。

それが地域冒険家のする事か?


少し小耳に挟んだ情報の、


「とある仏壇屋さんが郡上節ガールズバンドを組んで新旋風を巻き起こそうとしている。」


これは事実なのか確かめるべく、オススメされた町のカフェへ。そこで、情報何もつかめず半ば半泣きの私「……。おも、おも、面白い人に私会いたいんですっっっ!( ;  ; )」

店員さんから、「ここは、面白い人はたくさんいる土地です。まずは、その仏壇屋さんがイベントで夕方に来ます。是非いらしてください。」


そんな夢のような話をもらい、突然物事が動きだした。


夕方。
ここのカフェは、全国から色んな方が来られ、ワークショップ等をしている拠点で、この日は唄いながら全国を回っている民謡歌手の方がリサイタルに。



正直、この時点で「郡上訪問記①」の写真にもあったように、城下町にはあまり人がいず、踊りのバイブレーションを全く感じず、風情ある光景の土地、でしかなかったのだが、民謡リサイタルの会場@糸カフェに到着して、


12畳弱ほどの所に20人くらいの若者が、ひしめき合って体育座りをし、民謡が始まるのを今か今かと心待ちにしている姿を1番後ろから目の当たりにして、


ああ、ここは。
人々に唄が身近な街なんだ。

唄と三味線と太鼓に合わせて踊る、郡上踊りが今この時に開催されていなくても、日常に息づいているんだと思った。


目では見えなかった。
町では踊りどころか人もいなかった。

だけど、確かに、この町の根幹に郡上踊りが。唄を楽しむ文化が。三味線が。太鼓が。存在する。

そんな気が、ふと、した。



演奏後には、カフェの子に夕ご飯に誘ってもらって、近くのお洒落レストランへ。とある仏壇屋さんは先に帰り離せず終いだった。

レストランTOMORROW 燈蠟


この辺りは、先ほどから言う通り城下町で、観光において全てがコンパクトにまとまっている。


夕ご飯では、たくさんの面白い人達がいるけども、どこからご紹介しましょうか、というお話だった。


聞けば、郡上は一人親方で商売をしている人が多く、私の印象では、それぞれ、「屋号もつ一匹狼」だ。


そして、みんな1つだけの仕事をしていると言うよりは、A屋でもありB屋でもC屋でもあって、結局職業は?と問われると何個も複業しているので、「職業は、自分の名前。」でしか、表せない人が多いんだそうだ。


何屋でもあり、その共通項が自分。
自分が屋号である。

「職業は、自分。」

そんなワードが、この町にピッタリだった。
まだ、来て数日。

全く町を知れてないけど、山も川も田んぼも畑もあり、ここには色んな分野の面白い人達がいて、夏は狩猟、冬は酒蔵で杜氏という人だっている。

一匹狼だから、それぞれにコミュニティを持っているけど、孤立しているわけでなく、その輪はゆるく重なっているようだった。

深く濃く縦に、そのコミュニティ内では知られている存在も、違うコミュニティでは隣町の〇〇さんがいるとだけ知っている程度。

縦の人ばかりかと思えば、横に糸を紡ぐ人もいる。色んな先輩たちを見て、自分の好きなコミュニティに属せば良い。無かったら創れば良い。

40代の地元の方からの若い世代に向けた言葉が印象的だった。

「ここでは、自分で屋号を持ちな。〇〇屋さんになるんだよ。それになるための練習場所は、うちの店の端を貸す。あの人にも相談してみよう。でも、まずは何屋さんでやっていくんだい?」

そんな会話が、威圧的ではなく、成長を促すように。みんなが、自分の足でこの町で歩んでいけるように。この町の次世代へのバトンの渡し方を見た。


郡上八幡では、居酒屋のシメがお寿司🍣だと言うことで、夜中0時。

お寿司屋さんへ向かった。
夜中0時。本当はここから全て始まりだったのかも知れない。私はシメの寿司屋で、郡上の人々と熱い涙を流すこととなる。。。


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