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ATP1000テニス インディアンウェルズ大会の準々決勝  フリッツ 対 シナー

インディアンウェルズ大会の準々決勝の組み合わせは、ノリー対ティアフォ、メドベージェフ対ダビドビッチ・フォキナ、フリッツ対シナー、アルカラス対オジェ アリアシムとなった。この組み合わせの中で実力が接近していてスーパーショットの連続が期待できるのは、フリッツ対シナーだろう。

テイラー・フリッツは、米国出身で25歳、196cm、ATPのランキングは5位、この大会では第4シードで、ATP1000の優勝経験は1度。ヤニック・シナーは、イタリア出身で、21歳、188cmで、現在のランキングは13位、この大会では第11シードで、ATP1000の優勝経験はまだない。

二人の対戦成績はフリッツの1ー0だが、シナーはここ1、2年で急速に伸びていて、今は実力的には、ほぼ互角ではないかと思う。そのため、この試合はとても面白くなるだろう。

第1セットの第1ゲームは、フリッツのサーブではじまる。フリッツのサーブが良くない。30−40でブレークされる。第2ゲームは、シナーのサーブだがフリッツのレシーブもよく、シナーは左右に振る。フリッツが粘り、ジュースとなるがシナーは左右に振り、最後はフォアハンドの速いクロスショットでキープした。

第3、4、5ゲームはそれぞれのサーブが良く、キープでゲームはシナーの3−2となり、シナーのサーブで第6ゲームとなる。シナーはサーブが良いが、フリッツは、バックのストレートが見事。40−30でシナーがキープする。

第7ゲームはフリッツのサーブだったが、バックのストレートが光り、40−30からキープ。第8ゲームはシナーの4−3でサーブだったが、ジュースまでもつれる。結局、シナーのファーストサーブのキレが良く、キープ。第9ゲームはフリッツ3−5のサーブだったが、ジュースまでもつれた。フリッツの上げたロブが絶妙なところに決まりキープ。第10ゲームはシナーの5−4でサーブだったが、ドロップショットが効き、40−0でキープ。第1セットは、シナーの6−4で終わる。第1セットのデータとしては、シナーのWinnerが14に対して、フリッツは6しかなかった。Unforced errorがシナーの9に対してフリッツの16で、フリッツの完敗だったが、内容はスコアほどではなく、ライン近くを狙ったフリッツのボールが外れていたことによる。

第2セットの第1ゲームは、フリッツのサーブで始まり、キープした。第2、3、4、5、6、7ゲームは、両者のファーストサーブが良くてキープとなった。第8ゲームは、シナーがライジングショットを繰り出したのか、フリッツのショットが間に合わない。シナーのキープとなる。第9ゲームでは、フリッツの4−4で、サーブだったがキープした。第10ゲームは、シナーの4−5でサーブで始まったが、フリッツのディフェンスが良く、シナーはブレークされた。結局、第2セットは、フリッツの6−4で、勝負は第3セットに持ち込まれた。

第3セットの第1ゲームはフリッツのサーブから始まった。ジュースまでいきシナーにブレイクされた。フリッツの方が、ショットの力は少し上のような気がするが、フラット系のボールが多く、ベースラインをオーバーするケースが多い。これに対してシナーのショットは力は少しフリッツに劣るような気がするが、ライジンジングが多いせいかスピードが速い。ベースラインで打ち合うとフリッツが間に合わなくて負ける場合が多い。また、シナーはトップスピンがかかっている場合が多く、ベーススラインの打ち合いではフリッツより安定している。

第2ゲームでは、フリッツがお返しをして、シナーのサーブを破った。第3ゲームから第7ゲームまでは、お互いキープが続いた。フリッツは、ファーストサーブが素晴らしいが、これが入らないとストロークで少し押されているので苦しくなる。第8ゲームは、シナーのサーブで、二人のストローク合戦は素晴らしかった。やはり、少しシナーが上回りキープした。

第9ゲームはフリッツの4−4でサーブとなった。ここでも二人のストローク合戦は素晴らしく、左右に振り合い、ドロップショットの打ち合いありで面白かった。最終的にはシナーがブレークして、次の第10ゲームをキープして、第3セットを制した。シナーの6−4、4−6、6−4でフリッツを破った。

フリッツは、体も大きくがっしりした体格で、ボールのスピードは速く、重そうな気がする。また、サーブは長身を生かし威力のある重いボールで、エースも多い。バックのストレートも比較的楽そうに打てるのもすごいと思う。いつの間にかATP ランキングで5位まで来ているので驚いた。

今後は、ライジングで正確にボールが打てるようになって欲しいのともう少しドライブをかけたショットにして、ストロークを安定して欲しい。もちろん、今でも十分に安定感はあるが、さらに上を目指すには必須だろう。また、バックのストレートはうまいのだからもっと多用して欲しい。そうすればもっと楽に勝率は上がるだろう。

一方、シナーはここ2年くらいで驚異的に成長した。強烈なフォアハンドとサーブは、出た時から素晴らしかったが、両手のバックハンドも安定感がかなり増した。ボレーも積極的にこなしているのは良いと思う。ドロップショットなども上手くなった。前後や左右のフットワークも素晴らしいと思う。

実力的には、ATP5位くらいには入って来るだろう。問題は、ジョコビッチやアルカラスやメドベージェフなどにどうやって勝つかということになると難しい。サイドラインやベースラインギリギリのボールの精度が必要だろう。さらなる精進を期待したい。




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