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4月のつれづれ日記

 新しい顔ぶれで新年度が始まった。恋人と同棲を始めた。職場も私生活も環境が変わって、目まぐるしいひと月だった。けれども良い方向へ進んでいる予感がする。


 同棲に向けて一人暮らしの家を退去した。荷造りし、粗大ゴミを出し、家中くまなく掃除して回った。ライフラインの解約やら役所への異動手続きやら、やることがてんこ盛り。引越しがこんなに面倒だったなんて!

 退去の日、がらんとした部屋を前にして、寂しいような切ないような気持ちが込み上げてきた。6畳の、初めての、私の城。狭かった。クリーニングの匂いがしばらく取れなくて嫌だった。冬は酷く乾燥した。仕事が辛くて不調に陥った。将来を思い描けずに悩んだ。いい思い出ばかりじゃない。

 でも、それよりも。自分で生活を回す方法を学んだ。少しは料理ができるようになった。お金の使い方を考えるようになった。じっくり好きなことと向き合えた──コーヒー、読書、ヨガ、音楽、ドラマ。友人を招いていろんなことを喋った。恋人と夜通しゲームで遊んだ。数年間だけだったけれど、私に根付き、実になったものは確かにあるはず。


 感傷もそこそこに、新居の準備に明け暮れた。車で荷物を運び、家電を迎え入れ、家具を組み立てた。入居して数日は照明がなかったので、iPhoneのライトを頼りに棚を組み立てたら上下逆さまになってしまって、結局作り直したのだけれど、それすら面白かったな。暗がりの中で「やっちゃったねえ」と笑った。ふたりで生活をつくっていく、というのは悪くないなあと思った。同棲に関して、私は期待よりも不安が大きかったけれど、いざ始めてみるとなんとかなるような気がしている。同じ家に帰るって、いいなあと思う。

数日後にやってきた照明。気に入っている


 引越しの合間にワクチン3回目を接種した。モデルナの威力は凄まじかった。インフル並みの倦怠感に、頭痛に、38度後半の高熱。翌日は1日寝込んでいた。副反応を乗り越えた今、最強の気分になっている。効果が続くといいのだけれど。


 諸々がひと段落してから、初めて恋人を家族に紹介した。思っていた以上に照れくさい。何よりも、私が場を回さねば……とプレッシャーを感じていたのだけれど、蓋を開けてみたら心配無用だった。意外にも父親が盛り上げてくれたのだった。あまり喋らないタイプだと思っていたのに。驚きつつ、さすが営業職!とこっそり見直した。不安でたまらない両家顔合わせも、なんとかなりそうな予感がしている。


 大変悲しいけれど連休が終わってしまう。五月病を発症しないように、ゆるゆるやっていきたいな。


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