「朝の西洋占星術のコーナーで
はくちょう座が一位になったら付き合ってあげる」

アヒル口の彼女は、いつもこの方法で男をからかう。

しかし、気に入った男を見つけたら、鷹のような眼をして狙いを定め、
オシドリ夫婦を離婚させてでも男を捕まえる。

勿論、男には、伝書鳩のように会社と自分の家の間だけを往復させ、
どんな小さなメス鳥も近づかせなかった。

やがて、相手の財産をついばみきって、
金の卵を産む鶏が卵を産まなくなってきた頃、

「さあ。鳥駕籠から自由になりなさい」

と言って、丸裸で追い出してしまう。

そんな鶏たちの一羽に襲われ、彼女は、歩道橋から突き落とされた。

「さあ。君も大空へ飛んでいきなさい」

そんな声を聞いた人がいるらしい。

結局彼女は、公園の尖った柵に刺さり、モズの早贄のように
身動きも出来ずに死んでいったそうだ。

　　　　　　　　　　おわり

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