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「アメニモマケズ・・・」・・・距離を持って社会を見る大切さ。


宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の詩を小学生の頃、隣のクラスの先生が生徒たちに暗唱するように教えていました。
教室の壁にも大きく全文が書かれた横断幕が貼られていて、他のクラスの者からすると、ちょっと照れくさく感じたのを覚えています。

逆にそうやって、「距離を持って物事を見つめる大切さ」を学んだ、と後の同窓会で話していた友人もいたのでした。


ところで、この「雨ニモマケズ」は、ストイックな内容であるがゆえに、パロディのネタにされがちです。

習ったばかりの小学生時代にも、雨天の下校時に早速
「雨にも負けず!」と言いながら傘もささずに同級生と一緒に走って帰った思い出のある方も少なくないのでは。

ざっと検索くしてみても

仕事系では、

「納期ニモマケズ 上司ニモマケズ・・・」

というものがあり、恋愛系では

「カップルにも負けず クリスマスにも負けず
夏祭りにも 桜の切なさにも負けず丈夫な心を持ち・・・」

というリア充にも負けずなものがありました。

その他では、やはり
学校関係が多く、特に二つのパロディが有名。

ひとつは、読み人知らずになっているほど拡散されてしまったパロディ。岩手県盛岡市の小児科医師が作ったもののようですが。

「雨にもアテズ 風にもアテズ
雪にも 夏の暑さにもアテズ
ブヨブヨの体に たくさん着込み
意欲もなく 体力もなく
いつもブツブツ不満を言っている・・・」

後は、
毎日ゲームとテレビ三昧。
朝からあくび、集会で貧血。
他人をかえりみず、
作業はグズグズ注意散漫

病人があれば 医者が悪い
疲れた母あれば 養老院に行け
死にそうな人があれば 寿命だ
けんかや訴訟は ながめて関わらず
叱られもせず怖いもの知らず・・・

という展開。

もうひとつ教育業界で、元教師の柴田克美(剣崎克彦)さんが
作ったという「雨ニマケ」というパロディ。

「雨ニマケ 風ニマケ・・・」

に始まり、最後は、

「ミンナニ ジブンノイイトコダケ ミセテイル
ソウイウジブンヲ コロシテヤリタイ」

で終わる。

「殺してやりたい」のという言葉のきつさが
広まった原因でしょうか。

やはりインパクトは重要ですね。

という訳で、おまけのパロディ。

『愛にも負けず』

愛にも負けず
金にも負けず
夢にも勝利の熱さにも負けぬ
鈍感な心を持ち

徳は無く
決してへこまず
いつも密かに笑っている

あらゆることを
他人を勘定に入れずに
よく見ず聞かず分かりもせず
そして忘れぬ

東西南北どこへ行っても
ツマラナイカラヤメロと貶し

日照りの時は涙を数えさせ
寒さの夏はオロオロさせて
皆に木偶のぼうと呼ばれる人を
褒めもぜず苦にもせず

そういう者はどこにでもいる?

では悲しいな・・・

おわり


※冒頭のイラストは、AIが「雨ニモマケズ」を元に作ったイラストです。


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