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SAIGAN TERROR - UNTOPIA SEA TOUR 2023 w/KRUELTY Text by H8MONGER

どうも!SAIGAN TERROR / IMPERIUM RECORDINGSH8MONGER です。
このたび我々SAIGAN TERRORは、KRUELTYと共に 東南アジアツアーに行って参りましたので、そのツアーレポをひとつ。

DA SQUAD

まず最初に一言、めっちゃくちゃ楽しかったんすよ〜。
しかし、単なる思い出話を時系列通りに語るだけではなく、コレを読んだ方々にも『おれらも週末は東南アジアのピット留学に行きたい!』と思って頂けるような内容で、なおかつ実際にバンドでツアーに行く時に少しは役立つ情報をシェアできればと思います。

サイガンは3/5箇所のみ

動画:ツアー予告編 (YouTube)

ツアー日程
・6/23 (金) マレーシア / クアラルンプール
・6/24 (土) フィリピン / マニラ
・6/25 (日) タイ / バンコク

初の海外ツアーだったので盛り上がってうっかり予告編動画も作っちゃいました。
後で知ったけど、やっぱこういうのがあると現地でも実際におれらのライヴを見る前の期待値が上がっていたくさいす。

日記:6/23(金)日本→マレーシア

直前まで会場が決まらなかったとか

初日は、金曜日の早朝AM8:35の成田空港発、バティックエアー というマレーシアの航空会社でマクアラルンプール空港まで約7時間のフライト、からの夜はライヴという、いきなりのウルトラハードスケジュール。
東南アジアのどの国に行くにせよ、当日夕方からのライヴに間に合わせる為には、まず早朝便で日本を出発しなければならないのが辛い点ですが、今回は最安値だったバティックエアーをチョイス。
この航空会社、2022年秋に就航したばかりと情弱すぎて不安だったんだけど、フルキャリアとLCCの中間クラスということもあり、前席モニター付きリクライニングシートがとても快適。
座席指定、機内食の注文、ブランケットの貸出しなどは有料なんだけど、トータルで今回のツアーで乗った航空会社の中では一番良かったかな〜。

往路のロングフライトに余裕があると後々の疲れが違う

しかしながら、出発2時間前のAM6:30にチェックイン開始となると、始発電車が間に合わない可能性や、AM8:30以前は成田空港内の売店や飲食店がオープンしていないというトラップもあるのでご注意。
ヘタするとそのまま半日近く何も食えなくなる可能性があるので、早朝便で出発する場合は事前に機内食を予約するか、ご自分で朝食を用意しておくことをオススメします。

海なんてこの時しか見てないから

前の晩は一睡もせずに始発電車で成田空港に向かったので、約7時間のフライト中はほぼ爆睡して、PM15:00くらいにクアラルンプール空港に到着。
寝不足でまだまだ眠いのに、鬼混みの入国審査で1時間近く並ばされた後、ようやく機内預け荷物の受取り。
弦楽器の場合、ハードorソフトケースに関わらず、大体どの航空会社でもオーバーサイズ扱いなので、スーツケースなどが出てくる普通のレーンとは別のどこかに置かれている事が多いけど、今回はよりによって一番遠く離れたレーンにポツンと放置されてましたよクソが。
次に両替ですが、よく『空港内より街中の両替所の方が為替レートが良い』なんて話も聞くけど、空港と会場を往復するだけで翌日には次の国へ向かわなくてはならないバンドのツアーにおいて、そんなところに連れてってもらえる時間的余裕はほぼないと思われるので、初めての場合はまず入国時に空港で済ませておいた方がスマートだと思います。
ゆうてほぼお金なんか使ってませんけども、物販のお釣りとか一応ね。

空港内の両替所の為替レートは大体どこも同じかと

さて、ようやくクアラルンプール空港の外に出ると、ムンムンの熱気と湿気と共に今回の東南アジアツアーの全体を仕切っているシンガポールのプロモーターWE THE UNCOUTH と、マレーシアはジョホール・バールのローカルプロモーター NOBODYGETHURTZ の面々がお出迎え。

お世話になります

その中には、2017年に ENDZWECK の無茶振りヘルプメンバーとしてシンガポール→マレーシアをツアーした時に対バンした元EXHIBITORS(すでに解散)のAndrewというやつもいて一気に打ち解けました。
『おお〜、あの時のおまえかぁ〜』つって。

Andrewと、8月に来日するSOCIAL CIRCUITのDean

クアラルンプールの街並みは以前来た時と較べるとさらに新しめのタワマンなんかがガンガン建っていて、明らかに急速な経済発展を遂げているのがわかる。
さすが産油国は違うな〜。

ガン晴れより逆に曇りくらいがちょうどよい

空港からクアラルンプール市内へ50分くらい車を走らせ、プロモーターが用意してくれたAIR BNBにて、一足先にインドネシアとシンガポールで2本多くライヴをしてきたKRUELTYと合流。
インドネシアの田舎町で楽器を持って入国しようとしたら止められたけど、なぜか解放されてライヴも出来てラッキー!とかいうKRUELTYのサバイバル話を聞きつつ、みんなでカオマンガイをかき込む。

猫は勝手に入ってくるけど、南京虫はセーフでした

ヤサから車で10〜15分くらい離れたライヴ会場のRUMAH APIは倉庫のような大きなビルの18階で、世界で一番高いところにあるスクワットとして有名らしい。
以前は路面店だったけど、何年か前に警察の弾圧を受けてこちらの場所に移転してきたそう。

バナーででん!
HOKAGEか?つって
KUALA LUMPUR HARDCORE

よくよく見ると会場内には黒いヒジャーブ(スカーフ)を身につけた女性もいて、イスラム教国家でハードコアバンドがライヴをやるのってどうゆう感じなんだろう?とか思いつつ、バーカンでビール(買えるだけありがたかったけど、タイのTiger Beerで1缶500円くらいだったから高いかも?)を買い、敷地内に併設されたレコード屋をチェックしていたら、盟友FIGHT IT OUTのレコードや、サイガンとFIOで行った大阪のライヴのフライヤーなんかを発見して、まるで友達が歓迎してくれてるような不思議な気分だった。

大阪のレコ発のフライヤーがなぜココに!?
PITBARか?つって

ちなみにクアラルンプールのキッズはみんなすげーいい奴ら。
けど、こちらから話しかけない限り必要以上には話しかけてこないクールな感じは以前と変わらず。

OKBの友達を名乗る人にも会ったよ

ライヴ自体はPM20:00過ぎのスタートだったけど、何故か押しに押してサイガンの出番はPM22:30頃かな?
ふと演奏中になんか焦げ臭いなと思ったら、下手側に設置されていたモニター用のパワーアンプかなにかが火を吹いておられるじゃないすかー!?
バーン! クアラルンプール!! バーン!!!
つって、案の定モニターが落ちて中音が一気に聞こえなくなったけど、そんなことはお構いなしに全曲ブッ通しでひたすらに演奏を続けたら、最後にはキッズ達のテンションも爆上がりでピットはカオス状態に仕上がってました。

一番手前が今回のツアマーチ by Yusuke Hamamoto
マレーシアの通貨はリンギット

ライヴ後は物販も予想以上に売れたし、サインしてくれなんて言われたりもちゃってして、いや〜、えがったえがった。

タイテ余裕の2時間押し乙
今となってはもはやレア編成なKRUELTY

トリのKRUELTYは日付が変わってAM0:00頃で、ZUMA のピンヴォーカルも初めて見たけどそんなに違和感はなかったし、何よりも英語でうまくMCができるのは心強い。
『去年KRUELTYのライヴを見て自分もハードコアバンドを始めた』なんて言う子もいるらしく、今やその影響力たるやかなりのものではないでしょうか?

海外でこのバナーが並ぶのは熱い
このふたりきっと祖先は同じかもしれん

ライヴ後は屋台でガパオライスを買って、ようやくAM2:00ごろにAIR BNBに戻るや否や、明日はAM5:00に出発だと告げられる。
えっ?
今から3時間後じゃね?
おいおい、まだシャワーも浴びてないんだが!?

このガパオの味が忘れられぬ…


ライヴ動画:6/23(金)マレーシア

セット前半のみの動画が上がってました。
この後、下手側から火が上がってからの方が面白いんですけどね…。


ライヴ写真:6/23(金)マレーシア

Pix by Mohamad Norzahir
地元のカメラマンがかっこいい写真を撮ってくれたんだけど、演奏中に目の前でフラッシュ焚いて撮りまくるからちょっと引いた。


日記 : 6/24(土)マレーシア→フィリピン

イーストサイドは東地区の意味じゃなくてライヴハウスの名前だった罠

2日目の土曜日は、エアアジア にてフィリピンはマニラまで約4時間のフライト、からの夜はライヴとコレまたスーパーハードコース。
結局、一睡も出来ないままAM6:00頃にクアラルンプール空港に到着し、自動チェックインカウンターでチケットを発行するも、ここで楽器を有するバンドならではのトラブルが発生。

セミハードケースの方が投げられないから安全説ある

エアアジアってマジで適当なスタッフしかいないしょーもないLCCだから、できれば乗りたくないんだけど、弦楽器みたいなオーバーサイズの荷物を預ける場合は、自動チェックインカウンターではなく、有人のカウンターでチェックインをしなければならず、その際は目的地の国から出国する時のチケットの確認も必要だという。
おれたちはまだこの時点で3日目のフィリピンからタイからへの飛行機のチケットの控えは持ってなかったので、プロモーターに連絡してみるも早朝につきなかなか返事が返ってこず。
時間だけがどんどん過ぎていく中で、ついに痺れを切らしたZUMAが『じゃ、楽器はおれたちが預かるので、サイガンは自動チェックインカウンターから先に飛行機に乗ってて下さい』という英断を下した。
後ろ髪を引かれつつもとにかく時間がないので、飛行機の搭乗口に急いだけど、空港があまりにもデカ過ぎて、チェックインカウターから20分以上も歩いて何とかギリギリセーフ!
もうこの時点で何時間起きっぱなしなのか全くわからず、まともな思考回路も働かなかったので、AIR ASIAの貧相なシートに座ると同時に爆睡。
ちーん。
ちなみに現地プロモーター情報によりますと、ベトジェットエアー というLCCは遅延&荷物紛失上等の更に極悪なLCCらしく、時間に余裕がないバンドのツアーでは使わないほうが賢明とのこと。
押忍、肝に銘じておきます。

マニラ空港セキュリティ厳しすぎて喫煙所でいきなり職質

フィリピンのマニラ空港にたどり着いたおれたちを待ち受けていたのは、『今日はKRUELTYはフィリピンには行けず、SAIGAN TERRORとローカルバンドだけでライヴをやるので、楽器はローカルバンドから借りて下さい』というZUMAからの衝撃の知らせだった。
しゃっ、社長マジすかー!?
海外ツアーなんてのはどこに行っても自分の予想とは違う現実とのギャップを楽しむしかないモンだといつも自分に言い聞かせてるんだけど、コレまたレベルの高いミッションだなおい!
一体、どうなっちまうんだ今夜は?

フィリピンのコバさん的な

待ち合わせ場所の喫煙所付近で待っているとマニラのプロモーターである STILL ILL RECORDS のRJとその仲間たちが迎えに来てくれた。
『おお、日本からよく来たな。BLINDSIDEのコレ って知ってるか?おれたちの共通の友達だろ?今からヤツにFaceTimeしようぜ!ヒャッハッハ!』
もうこの時点でかなり疲れていたけど、彼らの底抜けな明るさに救われたのは言うまでもない。

一度は行っとけ!レペゼンフィリピンのファミレスJOLLIBEE

フィリピンは英語が公用語なので、一瞬『ココはアメリカ?カリフォルニア?』みたいな錯覚に陥る。
人々はとても流暢な英語を話すし、街中の標識や広告の看板なんかも現地語の表記は一切なく、全てが英語表記のみ。
どうやら現地語というか方言みたいなのが百種類くらいあってわけわからんので、英語を公用語として統一したらしい。
マニラの街は高層ビルとその下にバラック小屋のスラムが連なる、実に東南アジアの大都会らしい雰囲気だけど、風が心地よく昨日のクアラルンプールに比べると涼しい方。
何となく昔の沖縄を思い出させるやさぐれた街の感じにも魅了された。

空港出てからの道はひたすら渋滞してる

おれたちはツアー2日目だったけど、よくよく考えたら距離的にも、気温的にも、時差的にも、ローカルの顔つき的にも、東南アジアの中では日本に一番近いので、ツアー初日はまずはマニラから入るコースが楽勝なのではないでしょうか?

ジープと呼ばれる乗合バスのカスタム具合がすんごい

しかし、マニラ最大にダルい点は完全なるクルマ社会中心の大都会にも関わらず、ほとんどどこにも信号がないせいで交通渋滞が異常すぎて、都市機能そのものがもはや完全に破綻しているところ。
上下片側2車線ずつの道路が2本交差するような大型の十字路ですら、上下左右から1台ずつ譲り合いをしてゆくので、効率悪すぎてイチイチ変態的に時間がかかります。
さらに会場までの”ハイウェイ”という名だけの国道沿いに出来る鬼渋滞ポイントには車と車の間を歩きながら食べ物やら何かを売りつけてくる売人がワラワラと現れ、人々の生きる力の強さを感じさせます。
ストリートチルドレンがいるのもマニラだけだったなそういや

日本ではまずありえない光景ばかり

朝と夕方のラッシュ時と、土日は特に交通渋滞がひどいらしいけど、まんまとそのダブルパンチを受けて、グーグル先生が50分と仰っていた空港から会場まで、結局3時間もかかった。
AM5:00にクアラルンプールのヤサを出発してから、何だかんだで移動に半日も費やし、PM17:00くらいにEASTSIDEというこの日のライヴ会場にようやく到着。
何だよそれ、東京からニューヨークまで行けたんじゃね?

クアラルンプールは猫だが、マニラは野良犬がそこらじゅうにウヨウヨ

会場の目の前のホテル を取ってくれていたのはすごく助かったんだけど、部屋に戻るには24時間ひたすら車がビュンビュン走っている”ハイウェイ”という名の片側2車線の国道を横切らなくてはならず、とにかくマニラの交通事情は色々とタフすぎ。

サンミゲルは1本200円くらいかな

シャワーを浴びてからコロンを叩く暇もなくPM18:00に会場に戻ると、今回のSAIGAN TERRORの東南アジアツアーTをデザインしてくれた Worldwide Bonsai Artist、Yusuke Hamamoto 巨匠ばりに顔面にタトゥーが入った、この日の出演バンドの中で唯一のハードコアバンド DENOUNCED のメンバーを紹介された。
ありがたいことに彼らの楽器を貸してくれるという。

むしろFIRSTのウッチーかと
DENOUNCED live at EASTSIDE

『はるばる日本から来てくれてどうもありがとう。BLINDSIDEのコレから話は聞いてるぜ。おれたちはフィリピンのMAINLAND CREWだ。ハードコアってのは欧米のリッチなキッズだけのモンじゃねぇだろ?アジアにもハードコアバンドがいることを教えてやろうぜ!なぁ兄弟!今夜は飲もうぜ!』
出会って早々このセリフには思わず目頭が熱くなったけど、その後ろにいた仲間が紙コップに入った濃色の酒をグイグイ薦めてくる。
どうやらラム酒のようでしたが、こちとらほぼ2日間寝てないので、ライヴ前なのにも関わらず、容易く頭がグワングワンになってしまいましたとさ。

今夜は酒付き飯付きでウッヒョー!

EASTSIDEはだだっ広い倉庫で、後ろの半分くらいがテーブル席のレストランスタイルなんだけど、どこにいても音響がめちゃくちゃ良いハコ。
PAはワンオペのiPadでやる最新スタイル。

日本じゃなかなかなさそうな良きハコ

DENOUNCED以外の出演バンドはメタルだったりエクスペリメンタルだったり色々で、この日はKRUELTYの代わりにおれたちがトリ。
キッズも最初の数曲は様子見的な感じだったけど、またもや全曲ぶっ通しでライヴを続けてたら中盤からデカいサークルピットも出来て雰囲気が変わり、しまいにゃ2回もおかわりを頂きました。
あざーす!

フィリピンの通貨はペソ

マニラのキッズはかなりグイグイくる方で、ライヴ後はマーチテーブルで写真やサイン攻めにあい、そしてみんなが『マニラに来てくれてありがとう』という感謝の意を述べてくれる。
最近では欧米のバンドもあまりマニラには来ない傾向にあるらしく、みんながピュアにハードコアのライヴに飢えている感じ。
『尊い』ってこうゆうことだよなぁ。
物販もめちゃめちゃ売れたし、一度は行くべき価値のある場所だと思われますぜダンナ!

タフ害こそマニラに行くべき

AM1:30くらいにホテルに戻ると、主催者のRJから明日のフライトはAM7:30で、マニラ空港は3時間前にチェックインだから、AM3:30に出発する、と告げられる。
『どうする?もう寝る?それとも、もう一回 JOLLIBEE 行く?』
最後まで気をつかってくれたけどノーセンキュー。
もはや体力の限界、1時間だけ寝て最終目的地のタイに向かうことにした。
この時点でまだ2日目なのに、あまりに寝てなさすぎてもう1週間くらい東南アジアにいるような気がしてきました。

おれ1回だけ43 URBAN見たことあるよ、いいだろ〜って話(一番右)


ライヴ動画:6/24(土)フィリピン

フィリピンのライヴはケツ上げのカオスだった。
借り物のギターで完璧な音を奏でるしづる氏のギタープレイに注目!



ライヴ写真:6/24(土)フィリピン

Pix by raZimage
このライヴ写真、異様な雰囲気でかっこいいんで見てくれ!

こちらはDENOUNCEDのドラマーSaux編集によるvlog
こういう動画をサラっと作ってくれるの非常にありがたいす。


日記:6/25(日)フィリピン→タイ

3日目の日曜日は、セブパシフィックエアー というLCCで、タイはバンコクまで約2時間半のフライト、からの夜はいよいよツアーファイナルという、もはや楽勝のショートコース。
最終日に行くに従って飛行時間が短くなっていくのは体感的には楽だけど、このLCCのシートは硬いし狭いしで、日本からの国際線での長時間利用はちょっと無理かもしれん。
挙句の果てに、バンコクに到着時にあと5mで滑走路に着陸スレスレのところでイキナリV字に急上昇して、もう1回上空で旋回してから着陸をやり直して、定刻よりも30分のディレイ。
マジかよ?一体なんだったんだ?
その間ひたすらトイレは使用禁止だったけど、やっぱりそういう時に限って我慢は無理なもので、他の乗客にバレないように着陸態勢のままペットボトルに極秘処理をしていた このお方 は、やはりネ申でおられる!!

タイ入国ザルだったよえへへ

AM10:00にバンコクのスワンナプーム空港に着いてみたら、とにかく暑いの何のって、6月末は日中の最高気温が36〜37°Cで、外に10分いるのですらもう完全に無理なレベル。
日に焼けるというよりも焦げるという感覚に近い、てか日差し痛すぎ。

基本的な社会構造はまだ昭和のアナログのままなのにインターネットが繋がるウソみたいな夢の国

空港まではタイのプロモーターである HOLDING ON RECORDS のGapと、WHISPERS のMikeらが迎えに来てくれた。
彼らと最初に会ったのは2016年の大阪 SUMMER BASH FEST だったかな?
おれが前にやっていたDOGGY HOOD$のピットでめちゃめちゃハシャギ散らかしていたのを覚えている。
去年9月の BLOODAXE FEST ぶりの再会。

まいどどうものタイのGapと

バンコク市内は東京と同じくらいの大都会で、空港から市内へは車で40〜50分くらいかかった。
ライヴ会場の BLUEPRINT LIVEHOUSE は、バンコク一の繁華街エリアのスクンビットにある屋内サーフィン場の2Fという、仮に東京都内にロケーションを置き換えるならば港区辺りに相当するかなりの高級エリアに、今年3月にできたばかりの新しいハコだという。
キャパは200人程度で、天井が高くて空調もバッチリ。
音響も照明も最新機器が揃っていて、音抜けも抜群に良かった。
『ここでハードコア・ショウをやるのは初めてだから、もしかしたら今夜が最後になるかも知れない』とGapは笑ってたけど、結果は大成功!

昨日のマニラとのギャップに脳内がついていけず
10月に来日予定のSAVAGE DEITYの極悪ピット
二番目のSMALLPOX AROMAてバンドも9月に来日するとか

サイガンは6バンド中4番目という、これまた無責任全開でやれる一番おいしい時間帯の出番で、もう何から何までツアー最終日にこんなに最高の環境をお膳立てして頂いてアザース!

福岡からわざわざ見にきてくれた仲間たちと

ライヴは遠慮なくフルテンのマンチンでやらせていただきましたが、正直、初めてきた国でこんなにいいリアクションが返ってくるとは想像してなかったし、結果ケツ上げで超良かったな。
この日に合わせて各地から集結した友達がいたのもめちゃくちゃ上がった!
いや〜、最終日がバンコクで本当に良かった!
もし、各国を回る順番が違ったらツアーの印象自体も全然違ったかもしれないし、一箇所だけ行くとしたら間違いなくバンコクを選ぶな。

DRUNKEN VIOLENCE in Bangkok

ちなみに今回のツアーは、リユースショップ にて激安サルベージしたセミハードケースにベース本体、エフェクター3つ、シールド類だけといういつも通りの軽装備だったんですが、国によって電圧やコンセントプラグの形状が違うので、電源はACアダプターではなく乾電池に替えてから臨みました。
なおかつ自前のアンプヘッドは持っていかず、全てハコ常設のヤツを借りて乗り切りましたが、ライヴをやる環境はどこも想像より遥かに良かったので、そこは各国のプロモーターに大感謝しかないですよ本当に。
そして、何よりもこの機会を与えてくれたKRUELTYに鬼感謝!

荒れに荒れまくりのKRUELTYのピット

トリのKRUELTYのライヴは、みんなの待ってましたー!的な期待値が異常すぎて、もうこの日を全部持っていった。
去年秋に初めてバンコクでライヴをやってから、約半年でまた戻ってこれるほどの人気とはこういうことか!?
みんな明らかに曲を知ってるムーヴだし、数々の滾りポイントでのピットの爆発力が凄まじい!
初めて訪れたバンコクのピットで、国境を超えASIAN HARDCOREという共通の価値観の元に集ったキッズがまた新たな何かを生み出した歴史的瞬間を見した。
コレからは絶対的に彼らの時代だと思う。

タイの通貨はバーツ

ライヴ終了後は、特に打ち上げ的なモノはなく、ダラダラと談笑しつつ、いつものように流れ解散。
AM1:00頃までには各自ホテルに戻って寝落ちしてたと思う。
3日間お疲れ様でした!
ようやく寝れる!!

ライヴ動画:6/25(日)タイ

タイの動画はマルチカメラでPAの音もミックスしてるプロクオリティー。
中盤からのピットの狂いっぷりが非常にいいですね。


ライヴ写真:6/25(日)タイ

Pix by Isao Kakeda
日本でDSLというハードコアバンドをやっていたカケダくんに撮っていただきました。
今はバンコクに移住して、THE GREED というパンクバンドをやっているとか。


日記 : 6/26(月)タイ→日本

名前忘れちゃったなんとか寺院

最終日はオフ日で、 PM23:00 の タイ国際航空 の最終便に乗り、朝まで6時間の爆睡フライト。
体感60分くらいでAM7:00に羽田空港について、白目のままなんとか昼から仕事に行けたんで、社会人にはこのコースがオススメです。
なんなら往路も深夜便の方が楽だったのかも知れない。
当日はホテルのチェックアウト時間のPM12:00ギリギリまで寝てやろうと思っていたのに、なぜかたやすくAM8:00ごろ目が覚めてしまい、まだ涼しい午前中から徘徊開始。

この日はまる一日運転手付きの大型バンを貸し切り、KRUELTYのみんなと寺院に行ったり、船に乗せてもらったり、Gapと仲間たちが経営する古着屋が連なる マーケット でチルしたりとバンコク観光を満喫した。
その間、ひたすらにおもてなしが続く…最高!

結果バンコクしか勝たん

まとめ

良かった点
・旅費が安い
・移動距離が短い
・時差が少ない
・人々が親切
・アジア民族としての同胞意識が高い

辛かった点
・暑い
・寝る時間がない
・国ごとに通貨が違う
・出入国にかかる時間が異常
・都市中心部の交通渋滞が異常

とまぁ色々ありますけど、トータル的にバンド初の海外ツアーとしては東南アジアツアーが最適だったかと。
毎日のように飛行時間+前後4時間ずつくらい、要はほぼ半日は移動の為だけに時間を費やされるので、とにかく寝れないのが一番辛かったけど、今週末だけ!と考えればまだなんとか乗り切れるでしょう。
なんで、どうせ行くなら若けりゃ若いほどいいと思います。
あと、個人的に一番良かった点は、周囲からイチイチ見られたりしないこと。
欧米の場合、実はコレが結構ストレスに感じる。
アメリカとか場所によっては、アジア人が数人でコンビニに寄っただけでトラブルに巻き込まれる可能性もあるかも?とか、イチイチそういうことを考えて行動しなきゃならない場面が多いけど、東南アジアではその必要がなく実にリラックスした環境でツアーを楽しめた。
とにかく新しい出会いが沢山あって、どの国のローカルハードコアシーンも活気に満ち溢れていたので、みんなも週末とか連休とかを上手く活用して東南アジアのピット留学に行って欲しいです!
とにかく社会に活気があるから、多分コレからもっとカッコいいバンドとか出てきて状況もどんどん変わる気がする!

フライヤー :今後のライヴ予定

以下、今後の出演が決まってるやつです。

てなわけで、最後まで読んでくれてどうもありがとうございます。
こんな感じで日本でもひたすらにライヴやってますので、またどこかでお会いしましょう!


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