見出し画像

『日本奥地紀行』 イザベラ・バード著  平凡社ライブラリー

ブックオフの年始セールは、毎年通う年始めの恒例行事。
今年も数冊購入したが、そのうちの一冊が、イギリスの紀行家イザベラ・バード女史の『日本奥地紀行』。

日本奥地紀行 イザベラ・バード著 平凡社ライブラリー

著者のイザベラ・バードは、日本の明治期を旅した紀行家。
日本だけでなく世界各地を訪れ、その時代の現地の営みを紀行文として残している。

なんとなくイメージする文明開化後の華やかな日本の町並みの記録だけでなく、東北を始めとした貧しい寒村地域での生活や、アイヌの人々との交流など、知らなかった明治日本の姿が刻々と記されている。
むしろ著者も、その点において他の紀行文とは一線を画するものであると本書中で述べていた。

時代がら、若干アジア人を見下すような表現もあるように感じるが、一方で異文化理解の姿勢も強く感じた。

歴史としての日本や、文化人類学的に現代日本を読み解くような書籍を読むことはあったが、200年前の日本人の生活がただただ記された文章を読むのは初めてだった。
200年前でもそんな生活様式で暮らす地域もあったのかと驚くことも多く、興味をそそられる非常に面白い一冊であった。

解説する書籍もいくつか出ているようなので、いずれ機会があれば読んでみたい。

2024.1.6

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?