見出し画像

[追記]「生命の循環」ーーよい行いが、死した仲間への手向となる。 『The Last of Us PART2』から考えたこと。【ネタバレあり】

※この記事は【ネタバレ】を含みます。まだ【クリア】をしていない方は、ご注意ください。

・ ・ ・

※この記事とはべつに、前段階の記事があります。その記事を読まなくても、今回の記事は読めるようになってます。
#ゲーム #コラム #エッセイ
#人生 #生き方
#考え方 #ストーリー分析 #感想
#thelastofus2
#ラストオブアス2 #ラスアス2

・ ・ ・

はじめに

前回の記事は、気がつけばたっぷり1万字……。あんな長い文をお読みいただけまして、感謝しかありません。まだ書けることがありそうでしたので、こちらにてその続きをば。

前回の記事では「道徳がなんたらー」、「汲みとっていくのだー、なんたらー」と、いろいろと言いたい放題いいました。しかし、このままでは「アンフェア」です。

なので、ボクが「あの物語」からどのような道徳的な帰結を解釈をしたのか。先日、ピンときましたので、書きつづっていきます。

※デリケートな内容も含みます。どうかお気軽に読み進めてください。


「死生観」と「ジョエルの死」にみる『The Last of Us』の物語

画像1

(※キリスト、ユダヤ、イスラム教にみる、一神教的な死生観の内容について。少々、教養不足なところがあるかもしれません。どうかひらにご容赦をーー。)

先進国において、現代では「衛生面の発達」や「食糧品の生産能力」が向上しました。これにより、子どもの死亡率は劇的に低下、大人の寿命も大きく延びたことになります。

そんな、人の死が遠のいた昨今ーー。

「死生観」について考えることは、遠くなったのか。あるいは少なくなったぶん、重くなったのか。

……その実態は、測りかねるところであります。

他方、『The Last of Us』の世界においては、人の死が近く、「死」について、または「生」について、現代に生きるわれわれに考させらることが多くあるのは、こういった理由からかもしれません。

ーーもっとふみこめば、これは、終末を描いた作品が流行る、理由の「一つ」なのかもしれません。


さて、本題の「死生観」についてザックリと。

キリスト、ユダヤ、イスラム教など、
一神教的な「西洋の死生観」では、死んだらお墓のなか。あとは終末に神様が降りてきて、人々は「永遠の命」をもらうか。はたまた、「地獄」にいってしまうのか。それは「神のみぞ知る」ーー。

このようになっていると理解しています。

かたや「物質・唯物主義、無神論者」であれば、死んだら「はい、おしまい」。これだけです。

しかし、「日本人の死生観」は、これらとは違うようです。死んだあとは、「肉体」と「魂」にわかれ、肉体は「地球」に還り、魂は「宇宙」へと還る、このように考えられています。

ようは、「生命の循環」があるのだとーー。

このことから連想されたのか、「生きていたうちにおこなった行為」はこの世に残り、あとの世代へ「受け継がれていく」。こう考える人が、すくなくないように感じます。

エリーの場合は「自己犠牲の精神」からか、「生きた証が残せたのにーー」と、似たようなことを望んでいました。


【PART1】では、ジョエルは世界を救うことよりも、エリーの命を救うことを選びました。
【PART2】では、ジョエルが救ったエリーは、復讐心への葛藤に苦悩しました。

『The Last of Us』の物語が、このさきも続いていくのであれば、ジョエルが救った「エリー」という命が、今後、どのようなおこないを生んでいくのかーー。

【PART3】で「それ」が描けたときにはじめて、この「灰色」の物語が「美しく輝きだす」のかなーー。そんなふうにも思いました。


これらをまとめますと、「人の死の意味は、生きている人間が築いていくしかない」、ということに、なるのではないでしょうか。

さらに言いかえて、より道徳的な言いまわしをとってみます。そうすると、
「先祖代々から受け継いだ命を大切にし、先に逝った祖先、あるいは仲間たちのためにも、より良いおこないをしていこう。それが、亡くなった者たちへの手向にもなる。」、このように考えられるのかもしれません。

もちろんこれは、人によって違うものであり、「ぼく」という、一個人の解釈にすぎません。

ですが、それが「復讐」であっては悲しすぎる。この文脈に照らし合わせると、このように読めることは、必至でしょう。

なので、せめて『PART3』では、エリーのおこないを通して、ジョエルの生き様を描いてほしい。『Naughty Dog』の今後にたいして、そう願います。

それが、ジョエルへの「手向け」になりますから……。


・ ・ ・

……自分の「道徳的帰結」はこんな感じです。ポジティブな方向にいくようにまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

この『The Last of Us PART2』という物語とは、なんだったのか。みなさんがこれを考えるうえで、なにかしらの参考になっていれば幸いです。


それでは、今回はこのあたりで。

あなたの豊かな人生にも、素晴らしいストーリーがありますようにーー。


この記事が面白いと思われた方。ぜひ「♡マーク」を押していってください。
非会員の方も押せます。)
その他ご感想や、異なるご見識、ご意見などありましたら、ぜひコメント欄の方によろしくお願いいたします。

(誤字脱字等もありましたら、重ねてお願い申し上げます。)

この記事に満足していただけましたそこなあなた。 よろしければ一緒にお気持ちも落としていただいて、さらなる満足感も得られてはいかがですか? あなたのサポート、ぜひお待ちしておりますーー。