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刻が過ぎ去る前に

束の間の休日はアラームをかけずに自然に身を任せて朝を迎える。ダラダラとしてるうちにお昼になり、家にある賞味期限ギリギリのパンをかじる。溜まった録画を観ているうちに寝落ちして、17時ごろに起きると
ーーもうこんな時間か、1日が早いな。ーーなんて感じる時間軸よりも倍速に時は流れる。

早いもので今年で26歳になった。
小1から始めてJリーガーを目指し励んだ16年間が身を結びプロになり今年で4年目。Jリーガーでいるこの時の流れ方が早すぎる。
プロでいられる期間は限りなく短くてお笑い芸人のように苦節25年、46歳にしてブレイクできることはサッカーでは確率的にゼロに等しい。
まだまだこれからだと思っていると秒速で時は流れて3年目ではJリーグからドロップアウトするところだった。

プロポーズ大作戦をこよなく愛する私からして「明日やろうは馬鹿野郎」なんてことは分かっている。
分かっていても物理的ではなく精神的な眼で今を大切にするのは難しい。。それでもトライアウトの経験は少しだけ心の奥底から"いま"を捉えられるようになった気がする。
「ハレルヤチャンス」なんてものはできないのだからこの瞬間を見逃すわけにはいかないのだ。だからこそ後ろのドアを閉め続けることを自分と約束した。

自分はいつ死ぬのだろうか。
日本人の平均寿命は81歳とされている。26歳の私からすると遠い将来のように感じる。明日もしかしたら死ぬかもしれない。終わりを毎日意識して過ごしている人はどれくらいいるのだろうか。
生涯人生において今は未熟さのあまり、終わりを考えられずに永遠に続くとさえ思ってしまう。

それでも私のもうひとつの人生は常に有限であることをひしひしと感じさせられる。サッカー人生の終わりは本当に身近で仕方がない。1年のサイクルは気づけば一瞬で終わり、何を成し遂げられたかと問うてみる。有限であるこの貴重さをフルに使いこなせない嫌悪感を覚える。
時間の感じ方が時計の動きとは違う。
私には無駄にすることはできないのです。

強制的に終わりがきたものを終了として
自分で区切りをつけたものを完了とする。

できることなら自分のキャリアは終了ではなく完了で終わらせたい。一度終了を告げられたからこそ、いまを意識して生きることができる。
毎日をどう過ごすのか、疲れてても、しんどくても続ける原動力はここにある。

完了できるキャリアにするために時の流れを正確に捉えてこの世界を生き尽くしたい。

 やり残したことはないか?後悔はないか?
 一度でも"本気"のシーズンを過ごすことができたか?

しかしながら問うことばかりではなく、

コペルニクス的転回でいえば

お前は本気になれるのか

と問われている日々だ。


#本気

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