経費は勉強代と思って

 ガイドヘルパーの3日目は利用者さんが映画を観に出かけるのをお手伝いする仕事。観た映画は『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer 』。仮面ライダーや戦隊モノが好きな利用者さんで、普段からおもちゃ屋に出かけてはフィギュアを眺めて、時々買ったりもしているようです。

 さて、仕事としてガイドヘルパーに入る訳なので、目的地までの交通費や目的地での入場料などの経費は基本的には利用者さん持ちになることが一般的です。映画は障害者割引をしてくれる映画館がほどんどなので、利用者さんはヘルパーの分の映画代を負担しても、大人の一般料金程度で済む感じになります。昼食費に関してはヘルパーが自腹で食べるか、あるいは補助がいくらか事業所から出ることが多いですね。

 ところが、今回の事業所の場合、こういった経費は全てヘルパー持ちにされています。交通費に同伴者の割引が無い利用者さんなので、映画館までのバス代は正規料金を負担し、障害者割引が利用できるとはいえ、映画料金の負担もヘルパーしています。家から利用者さん宅までの交通費も出ないので、そういった諸経費を引くと、今回の仕事は最低賃金レベルとなります。

 では、なぜそれでもこの事業所を関わりを持っているかというと、一つは他の事業所のヘルパー依頼が確定してから、この事業所に仕事に就ける日を申請しても間に合うので、私自身の仕事のマネジメント的に都合が良いということがあります。平日午前に働いているクリニックがまるまる一週間休みなので、その減収分をどこかで補いたいという考えがあって、都合が良かったということがあります。登録している他のヘルパーさんも、負担はアーティスト活動や芸人活動などをしていて、その活動の合間にヘルパーの仕事をするという働き方をしているようです。

 しかし、その事業所はなぜ利用者さんや、あるいは親御さんに対して、ヘルパーの経費は利用者持ちであることが取り決められないのか、気になるところです。はっきりとはわかりませんが、必ずしも、利用者さんが外に出て遊びたいとか、親御さんがその間に羽根を伸ばしたいとかいった、ポジティブな理由ばかりでガイドヘルパーが利用される訳ではない、といったところでしょうか。

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