ひとりごと
今朝、出社してパソコンを開くと封筒が乗っていた。
まわりの人に悟られないようにこっそりと開く。
開けると、去年となりの席だった人からだった。
異動になることは聞いていた。
けれど引き継ぎもあるしまだしばらくいると聞いていたから安心していた。
しかし今日付で異動先に着任することが急に決まったということと、お礼の挨拶が書かれてあった。
短い文章だったけれど、誰かから自分宛てに手紙を貰うのはいつぶりだろう。
思い出せない。
一生の別れではないし、時々仕事で戻ってくることはあるかもしれない。
けどもうバッタリ、プリンターや廊下で会って手を振り合うことはなくなるんだあ、とふわふわ思って。
なんでもないことをただ笑って話せる数少ない人だった。
年度が変わって、誰かが日常の中からいなくなることが多くなって、けれどそれも慣れていってしまうことを知っていて。
それがさみしい、と、いうよりはなんだか透明なひんやりとつめたいような。
いつか自分がここからいなくなることを想像するからかな。
そんな朝。
この感覚が消えてしまうまえに、保存はできないから、せめてここに。
ありがとうございました。
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