最近ふと一人の同級生を思い出した。

その子は中学の部活が一緒だった。

第一印象も少し変わっていた。私も人のことを言えるような人格者ではないので、こういう感じの子もいるんだ～程度の認識だった。

ただ、私はいつも彼女に対して引っかかることがあった。

彼女は噂好きで、特に悪口が好きだった。

いつも誰かの噂話をしていた。

例えば、「今日○○ちゃんは英語の授業で先生に注意されていた」

「××ちゃんは△△くんのことが好きなんだって」

このレベルならまだ良いほうで、エスカレートしてくると

「私◆◆ちゃん苦手～。小学校の時もすごく浮いてた！」

「☆☆ちゃんの好きな人、◎◎くんらしいんだけど、趣味悪くない？笑」

と聞いてても楽しくない話を楽しそうにしていた。

彼女に一度(いや、2・3度あるかな？)「それ☆☆ちゃん言われて嫌なことじゃない？」と指摘したことがある。

すると彼女は「でもね、人の口に鍵は閉められないじゃない？噂は止められないのよ」と答えた。

え？？？？？

当の本人がそれ言う？？？？

あー、この子、噂辞める気ないなーっと感じた。

同じ部活だから接する機会があったし、止めても勝手に話すから聞いてた。

で、とうとう私も噂話のターゲットになった。

私が好きな人に振られたことについて後輩に話されていた。

その時の私は傷心していて、まだ傷が癒えていない時に面白おかしく言われていたもんだから、腹が立った。

その時は中学3年生で、最後の大会間近だった。

もういい。部活も大会が終われば引退するし、高校では離れる。もう無理するのはやめよう。

と、彼女と関わるのを辞めた。引退まで、口を利かなかった。

私だけじゃなく、彼女は部活の全員に同じように噂や悪口を言っていた。

みんな同じ気持ちだったと思う。

人は出会った人の影響を受けたり、経験したことで変わることがあると思う。

例えば、学生時代はとてもやんちゃだった子が、大人になって真面目になって会社で役職についていたり、派手だった子がすごく落ち着いていたり、変化は各々の経験などによって変わってくる。

変化を良い物・悪い物と捉えるのはさて置き、

数年前に中学の部活の同期の結婚式に出席した時、もちろん例の彼女も参加していた。

さすがに10年以上たったので、昔の話をいつまでもひきずっていないし、久しぶりに会ったからみんなで楽しく話をしていた。

学生の頃と違い、雰囲気や話し方など変わった子がいる中、

例の彼女は当時から全く変わっていないように見えた。

とにかく噂話や悪口を話す。しかも過去のことを掘り下げて。

どこで見たか忘れてしまったが、

「人は変わるチャンスは平等にある。そのチャンスを掴むか気づかないかの差だ」

という言葉がある。私が大事にしている言葉の一つである。

彼女には変わるチャンスはなかったのだろうか？

きっと今までだって、指摘されたり、嫌な顔をされたり、トラブルになったりしたことはあるはずだ。

しかし、彼女は変わっていない。当時の彼女のままだ。

人の噂を流し、それに対して罪悪感も抱かない、悪口を話しながら笑みを浮かべる。

ちょうど1年前、当時の部活の顧問の先生の退職のお祝いをしようと、部長だった子から連絡が来た。

連絡先が分かる人が誘い合い、グループラインのメンバーが増えてきた。

「まだ誘っていない人誰かいる？」

「☆☆ちゃんと○○ちゃんかな。誰か連絡先わかる？」

「私2人ともわかるからグループに誘うね！」

とやり取りが続く中、とうとう最後まで彼女の名前は出なかった。

誰も連絡先を知らないのかもしれない。

敢えて言っていないのかもしれない。

(私は連絡先を知りません。連絡先を変えられて、教えてもらっていません)

きっと今頃も、誰かに噂話や悪口を言って楽しんでいるんだろうな。

彼女が今後、変わることがあるとすれば、どんなきっかけだったのか知りたい。

知るすべはないけれど。