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米麹に出会い、一人の女が甘酒大好き星人になるまで

あなたは無いだろうか。
幼少期に苦手だった食べ物が、ある日を境に食べられるようになった経験が。

わたしはある。そしてその一つが、甘酒だった。

「甘酒好き?」と尋ねると、だいたい5割くらいの人が「積極的に飲みたいとは思わない」と返してくれる。「苦手だ」と言わないだけまだ優しい。ジェントルな気質を感じる。

かく言う私も、甘酒は「積極的には飲みたいと思いませんわオホホ」勢だった。発酵による、あの独特の香りが、どうにもこうにも……スッと受け入れられるものではなかったのだ。

ところが、先月とある場所の訪問をきっかけに、私は「甘酒大好き星人」になった。
どれくらい好きかというと、朝起きてすぐに飲み、昼の食前に飲み、夜寝る前に飲むくらいだ。もうそれはご飯なんよ。

一人の女をただの地球人から、甘酒大好き星人へと変貌させた場所。そこは新潟・阿賀町
友人が地域おこし協力隊として移住した町だ。彼女がいなかったら、その場所を知ることもなかっただろう。

友人の案内で私が向かったのは、一件の麹屋さん。そこで驚愕したことがある。

店員さんの肌、ツヤッツヤ。

日頃から麹を摂取してるからだという。
んなことあるんか。

半信半疑のまま、その日泊まる友人の家に案内してもらった。部屋でくつろいでいると、彼女は冷蔵庫から甘酒を取り出す。麹屋さんで買った生麹を使って作ったらしい。一口だけ、コップに注いでもらった。

友人の好意でいただいた手前、わざわざ苦手だと口にすることもなかろうと思いながら、コップを傾ける。

めちゃくちゃ、美味だった。
自然な甘さ。華やかな香り。
「素朴な美味しさ」という概念を説明する必要があるならば、これを飲ませりゃ伝わるだろうというシロモノだった。

これが本当の甘酒だと言うのなら、私が今まで飲んできたのは多分、甘酒のツラを被った別物だ。

感動に打ち震えながら作り方を聞くと、麹とぬるま湯を炊飯器に入れて、10時間保温するだけだという。
そんな簡単にできるのに、これほどまでに旨いの?チートすぎない???

わたしは早速、2キロの米麹を買って、クール便で自宅に送りつけた(麹は常温だと発酵が進んでしまうので)。
キロは業者の単位なんよ。

けれどそんなことはお構いなしに、わたしは今日もせっせと甘酒を作り続けている。2キロあった麹は、もう半分以下になった。甘酒効果かはわからないが、肌トラブルは軽減し、お通じもかなり改善されている。

そして、何度も言うとおり、とても美味しい。

わたしにとってヘルスケアとは、幸せと共存していてほしいものだったんだなあと思った。

苦いサプリでもなく、つらい断食でもなく、まろやかな甘酒こそが、わたしの健康には必要だったのだ。

そして、その原材料である米麹は、間違いなく「心から買ってよかったと思えるもの」だった。

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