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寸感 ミスチル入門



 知人がミスチル、もといMr.Childrenのファンなので、彼の好きなものならばと思い聞いてみたのが1月。なんとも不純な理由だなあと思う。
 元々わたしはスピッツの熱狂的ファンだし、ミスチルとスピッツの本人たちは仲が良い割にオタクたちはお互いを敵軍と見做している空気があり(わたしの個人的な意見であります)、不快ではないが積極的に聴きに行こうとは思わないし、実際そんなことないのにスピッツに対する裏切りだと思って無意識のうちに避けてきたのがMr.Childrenであった。
 ところがやはり、世間的には優等生お利口バンドの持つ深追いすると滲み出てくる毒や異常さというものがあり、ハマってしまいつつある。
 サウンドの聴きやすさと多彩さ、歌詞は若干説明が多くて描写が少ないのかなと思いながらも実際その描写が出てくるとあまりに美しい。「ランニングハイ」の「亡霊が出るというお屋敷を キャタピラが踏み潰して 来春ごろにマンションに変わると代理人が告げる」とか好き。ノスタルジックの甘さとキャタピラの無骨さの対比が美しい。甘い幻想と現実の無骨さ、生々しさが同居するリリックがすごく好み(例としては、神聖かまってちゃんの「犯罪者予備君」とか)。
 あと、フロントマン桜井和寿のオムファタルな感じがものすごい。LOVEの歌詞が書ける男だもの。無邪気に人を愛の地獄に引き摺り込む恐ろしさを感じる(褒めてます)。でも、自分としては、ミュージシャンの条件としては、「そばに絶対いてほしくないけど魅力的」があるので、バチコーン!とハマったフロントマンです。メンバーは皆さんいいなあと思うけど、特にギターの田原さんかなり個人的にグッときます。ヘイヘイヘイでいじられてタジタジな姿とライブの時のバチバチにキマってるギャップがいいです。
 今は、アルバムで言えば「深海」と「ボレロ」と「HOME」は聞きました。まだまだ勉強中でございます。
 全ての曲が好みではないけれど、とりあえず90年代の優れた古典として聴きはじめ、ちょっとずつ沼にハマりつつあります。ドームツアー当たるといいなあ。今まで私が聞いてきた音楽はだいぶ趣味が違うやつで(戸川純、筋肉少女帯、大森靖子、つしまみれ、さめざめ、ハヌマーン、神聖かまってちゃん)、今更ミスチルなんか聞けるかよぉなんて半ば照れ隠しではいたのですが、いいものはいいですね。食わず嫌いは良くないと思う。世界に対する解像度がどんどん上がっていくし。

 ということで、これからも勉強していく次第でございます。最近のわたしでした。

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