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3/4-3/17 日記のようなもの。

花粉の影響なのか、体と気持ちのだるさが続いている。ここもだけど、手書きで書いているマイブックと5年手帳の更新が止まってしまっていて、ますます気持ちが落ち込んでしまっている。

先々週、先週は夫と子どもの誕生日だった。子どもの希望でカラオケに行き、肉を食べ、寿司を食べ、ケーキを食べる。贅沢三昧の1週間は楽しかったけれど、ちょっぴり疲れてしまった。やっぱり本調子じゃないな、と思う。

弊社は内示がめちゃめちゃ遅く、毎年3月に入ると社内が明らかにそわそわした空気に包まれる。今年も同じ空気に包まれた中、つい先日来期の内示を受け取った。
が、業務内容や組織はこれから、と歯切れが悪い内容だったのでもやもやが残ったまま3月が終わりそう。多分4月(期首)になるまで提示されない気がしている。
そういう会社です。

子どもの習い事(ピアノ)のグレード受験が終わった。
「やるべきことは全てやりました」と言っているので、結果を待つのみ。
今年に入って突然練習を真面目にやり始めたので、確かに上達はしている。試験が終わったので、しばらくは弾きたい曲を練習するらしい。いいね。

チームメンバーで懇親会をする。っても、上司と同僚とわたしの3人なのでこじんまりと焼鳥を食べ、喫茶店でウインナーコーヒーを飲み、解散。深酒にならず「おいしかった」気持ちを感じながら帰宅できたので良き。




仕事にまつわる諸々で『百瀬、こっちを向いて。』(中田英一/祥伝社文庫)を再読する。何度読んでも田辺が好きだ。恋への憧れをストレートに言葉にできる田辺が好きだ。

「うまれてから一度も、まだ僕は知らない。きみが言う、そのきもちをね。いつか自分もその病気にかかるのかな。そのとき、自分はなんて無知だったのかっておもうのかもね。後悔するほどつらいのかも。でも僕はその感情を知りたいね」

『百瀬、こっちを向いて。』60ページ

『キャベツ畑に彼の声』も好きな短編。
ふくらんでいく言葉をキャベツに例え「出荷しなければ」と確信するシーンが今のわたしに刺さった。

心のなかでふくらんでいた言葉たちは、もう畑においておけないくらいにおおきくなっていて、出荷しなくてはいけない状態だった。便箋に一文字ずつ書いていると、日本語のひとつひとつの文字が、まあるいキャベツみたいに見えてきた。かつてわたしに告白をした男の子も、いまのわたしおなじように、言葉を体の外にださなくてはどうにもならない状態だったのかもしれない。本を書いたり、エッセイを引き受けたりした先生もおなじだ。心のなかでふくらんでいた言葉たちを、紙の上に出してならべることは、このまま心のなかでくさらせていくよりも、よっぽどいいことなのだ。

『百瀬、こっちを向いて』『キャベツ畑に彼の声』170ページ


SNSで見かけて気になっていた『ここはすべての夜明けまえ』(間宮改衣/早川書房)を読む。
SNSで見かけた感想と被ってしまいそうだけど、読了後「すごいものを読まされた」としばらく放心してしまった。
身体のあちこちに不具合がある「わたし」が父の望みを叶えるため「ゆう合しゅじゅつ」を受け、老いない身体を手にいれる。そして100年前の父から提案をされた通り、自己流で家族史を書き始める。これは「わたし」と家族の物語。

できごとやおもったことうかんだことかんがえたことを文字にしてたくさんたくさんつみかさねて、それをよんでもらってここにかかれているのはほんとうのことだっておもってもらうにはどうしたらいいんだろう、ほんとうはどこからやってくるんだろう。もししんじてもらえなかったらちょっとざんねんだけど、じゃあせめてうそとしておもしろかったらいいな。

『ここはすべての夜明けまえ』34ページ

 あんなにわたしがゆう合手じゅつをうけるのをたのしみにしていたのに、手じゅつごのおとうさんはよそよそしく他人みたいになりました。おもってたのとちがうかったっていうのがおとうさんのいいぶんで、それは手じゅつがおわったあとのわたしのからだがつめたくてかたかったから。

『ここはすべての夜明けまえ』34ページ

わたしははじめてシンちゃんに会ったときもう人間じゃなかった?のに、融合手術を受けていろんなもの、排泄物、血、汗、唾液、涙、わたしのあらゆる体液から、思慮深さ、したたかさ、柔軟さ、大人としてのわたし、あったかもしれない人生までもがわたしから消えていったのに、他人からちゃんと愛されてみたかったっていうのは、どうして消えてくれなかったんでしょうか、残ってしまった人間のままの脳が悪いんでしょうか、

『ここはすべての夜明けまえ』107ページ


ちょこちょこと読み進めていた『この世にたやすい仕事はない』(津村記久子/新潮文庫)をようやく読了。
あらためて、仕事ってままならないよなぁ。
働くって1日で一番長い時間を使うからいい加減にはしたくない気持ち、わかる。正門さんが言うように「愛憎関係」になりたくないけれど陥りがちなので、バランスが難しいな、と思う。
読みながら、なんとなく『うどん陣営の受難』を思い出す。うどんの方たちも皆仕事に真摯であった。


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