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ネトフリで見れるやつ:バスターのバラード

・話が長い!

 ウェスタン、酷薄な生死、死の本質 みたいなことを書いてる短編映画を6つ詰め込んだ作品。お得かと言われると微妙かな。

 テーマは分かりやすいが、キャラクターの魅力や話の緩急に欠け、画もあまり変わらず、ベラベラ長話、と眠くなる要素が多い。その点でいえば1章は一番マシだったが、1章を期待して残りを見ると辛くなってくる。
 
 なんというかもっと、スマートに纏められるはずなのだ。

・テーマについて

 キリスト教ベースの死生観と、命の軽いウェスタンのかみ合わせは良好。死の理不尽さを描く前半と、死への対抗を描く後半、総括の最終章という構成。

 1章ではどんな強者にも訪れる死、2章は運よく拾った命をまたぞろ奪われる理不尽。3章は変化をしない者への死が描かれている。1章では傲慢さ、2章では盗み、3章では与えられた才能を育てないという、(キリスト教的な)不道徳さが死を急速に招き寄せる、という描き方か。

 4章では2章の対比か、幸運にも拾った命を活かし、老人が死を撃退する。5章はまた幸運によって先住民の襲撃を跳ねのけるが、最後の幸運を信じずに自害した女性は死ぬ。
 6章にもなると頭が疲れてよくわからないのだが、決して止まらない馬車(=時間?)に乗りあわせた多様な人々が、理解し合わないまま、同じ目的地に向かって進み続けている。
 マダムの述べた「人には二種類ある」について、死を代弁する二人組の片方が、「倒れる者か、倒れない者かだ」と返したように、『死に強打されてなお、立ち上がるかどうかが肝要だ』みたいなことを総括しているのかな。わからへんね。でも6章が一番重要なんだろう。

・まとめ

 やっぱりコンテンツとしてはもっと面白い形に出来たはずで、見ている間はずっと、意味もなく長い寓話を聞かされる心地だった。脚本はいいのだが、映画としては面白くなかったな。

 同監督のFargoとかは人気なので、これはいつか見てみよう。

 そんな感じで、おつかれさまでした。 

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