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吉祥寺で感じた違和感。

東京に住んでいると何かしらの理由で吉祥寺に行った事がある方がほとんどでしょう。

私も何かしらの理由で吉祥寺に行ったのですが、ある体験をしたせいで吉祥寺に何をしに行ったのか?
今ではすっかり記憶から抜けてしまいました。

寒くもなく、暑くもない春か、秋あたりだったと思います。

井の頭線の改札を出て、その下にあるJRの改札へ下りエスカレーターに乗り、以前と様子の変わった駅を眺めていました。


その時、下方のフロア左側に何か気になる人影が見えました。


多くの人が歩く中に
明らかに他の人と違う「人」。

周りと頭ひとつ分背が高く、

顔が小さくパーツは彫刻のような凹凸。

多くの日本人の顔の造形とは全く異なります。

血色のない白い肌と、ダークブラウンの少しウェーブの入った長い髪。

男にも、女にも見える風貌。

憂を帯びた表情で遠くを見つめている。

黒い服に、黒いロングコートを靡かせながら滑る様にこちらに向かって来ます。

その人が進むと大勢の周りの人が綺麗に自然と避け、一切妨げる事はありません。

圧倒的に美しく異様なオーラを放つその姿に気付く事も慄く事なく…

私のみ、その姿に気付いているようでした。

圧倒的な違和感の存在を目の前に
独特の緊張感の中で…


「これが噂の死神なのでは?」
と脳裏に浮かびます。


コンスタンティン(映画)の悪魔もスーツでしたし。


エスカレーターが動く中。
このまま降っていったら、下のフロアで私達はぶつかってしまう。


私、このまま…

と死を覚悟しました。


…今日は、吉祥寺で何をしに来たんだっけ?

意外と走馬灯などは無く、ひたすら違和感のある美しい存在に目を奪われていました。

距離が近くなると、なんだか見覚えがある気が…




あ。


…しってる。


正体は…



モデルの栗原類さんでした。

あまりの美しさに私は一人恐怖を抱いてしまったのでした。


私はその後、少しぼーっとしていましたが無事に用事を済まし、家に帰る事が出来ました。
正体が分かるまでのあの時間は今までの人生の中で一番の恐怖と緊張感で、とても印象に残っています。


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