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【レビュー#08】沈んだメンタルに響かせたいBADASSな洋ロック楽曲6選―癒しの騒音

こんばんは、灰澄です。
今回は、気分がすぐれないときにオススメな音楽(騒音)を紹介したいと思います。

最近、気分が陰るようなことが多くないですか。
不安定な天気や、不穏な世の中の出来事に引っ張られて、メンタルが落ち気味だという声を散見するように思います。

私自身、理由があったりなかったりして、どうにも気分が沈みがちです。
ネガティブな出来事というのは重なるもので、なんだか良くないなぁと過ると、落ち込むことが続いたりします。

色んなことがあるのが人生なので、良いことも悪いこともありますし、良くも悪くも続いていくものなので、対峙するにしろ逃げるにしろ、なんとかやっていくしかないのです。

分かってはいても、然れども、辛いものは辛いし、しんどいときはしんどいので、せめてどんよりした気分を薪にして、キャンプファイアの炎を眺めるように、音楽でも聴いてやり過ごしたいと思います。

先日の小説編に次ぐライフタイムベスト音楽編はまた別の機会に書くとして、今回は冴えない日々に響かせたい楽曲を紹介します。

なお、記事タイトルにBADASSなんて言葉を使っているように、騒音中心で選曲してみました。普段あまり激しい音楽は聴かないという方も、歌詞に注目するなどして、是非試しに聴いてみて下さい。

また、「沈んだメンタルに効く」というのがテーマですので、メッセージ重視ということで、の歌詞の一部を引用しながらご紹介します。

記事が長くなったので、今回ご紹介する楽曲を先にリストにしておきます

今回紹介する騒音
① Walk- Foo fighters 
② These days -Bon Jovi
③ Someday I’ll be Saturday night - Bon Jovi
④ Someday – Nickelback
⑤ Carry on - Avenged seven-fold
⑥ Boulevard Of Broken Dreams - Green Day

余談 繊細な騒音

曲の紹介に入る前に、少しだけ個人的なロックについてのお話を。
私は、昔からあらゆるジャンルの音楽がごちゃ混ぜに流れる環境で育ってきたこともあって、クラシックも、ジャズも、メタルも、ヒップホップも、歌謡曲も、何でも聴きますが、その中でも特に好きなのはロックです。

ロックの本質の一部に、「傷ついた者のための音楽」という面があると思います。「ロックの本質」だなんて大げさですし、音楽ジャンルの話に一般論なんて持ち込めませんが、「私はロックのそういうところが好き」程度の話として読んでもらえればと思います。

私は、激しいビートや攻撃的な音に乗った、切実なメッセージに救われることがよくあります。
感情のメーターが激しく振れているような表現が好きという癖もあるのですが(ホラーが好きなのは多分このあたりが理由です)、穏やかなで整ったメロディには乗せきれない感情もあって、そういうところに騒音というカタルシスを伴って手を指し伸ばしてくれるロックが好きです。

そんな優しく繊細な騒音を6曲選んでみました。

沈んだメンタル響かせたいBADASSな洋ロック楽曲6選


① Walk- Foo fighters 

世界で「今活動している中で、最高のロックバンドは?」というアンケートを取ったら、候補に挙がるバンドだと思います。

名曲ばかりのFoo fightersですが、今回は”Walk”を選びました。マーベル映画、「マイティ・ソー」の一作目のテーマソングにも起用されましたね(個人的には内容に合っていて良いと思いました)。

鬱屈した男が吹っ切れていくPVも好きです。
「COLD PLAY」や「PUNK IS DEAD」の標語にイラつくデイヴ・グロール(ボーカル / ギター)が最高ですね。

私はCメロの歌詞が特に好きです。

I’m on my knees, I never want to die
I’m dancin’ on my grave, I’m runnin’ through the fire
Forever, whenever, I never want to die
I never want to leave, I never say goodbye

跪いて祈っているんだ 俺は死にたくない
自分の墓標の上で踊って 炎の中を突っ走ってやる
いつまでも いつだって 死にたくなんかない
立ち去るものか 別れなんか言わない

Walk- Foo fighters 

作詞センスも含めて、デイヴ・グロールは一番好きなミュージシャンの一人です。

② These days -Bon Jovi
③ Someday I’ll be Saturday night-Bon Jovi

Bon Joviからは、二曲併せて紹介したいと思います。
念のため言っておきますが、リアルタイム世代ではありません!

私がギターを始めたキッカケの一つはBon Joviの曲でした(その後、挫折して最近まで弾かなくなっていたんですけどね……)。
最近、改めて聞いていて、「人に届ける言葉」をしっかり考えている人だなと実感しました。

Bon Joviの曲にはよくストーリー風の歌詞が出てきます。曲を跨いで同じ人物が描かれることもあって、伊坂幸太郎作品的な楽しみがありますね。

先ず、”These days”から。
かなり昔(1996年)の曲ですが、歌詞を聞いて「まるで今の時代みたいだ」と思いました。
哲学者の池田晶子さんが、ソクラテスシリーズで「世も末じゃなかったときなんてないでしょ」という台詞を書いていましたが、そういうものかもしれません。

Jimmy shoes busted both his legs, trying to learn to fly
From a second story window, he just jumped and closed his eyes
His momma said he was crazy – he said, “momma, i’ve got to try
Don’t you know that all my heroes died?
And i guess i’d rather die than fade away."

ジミー・シューズは両足を骨折した
空を飛ぼうと2階の窓から飛び降りて、目を閉じてしまったんだ
彼のママは「イカれている」と言ったけど、彼はこう答えた
「ママ、でもやらなきゃいけなかったんだ。僕のヒーローたちは皆んな死んじゃったんだよ。消えていくくらいなら、死んだ方がマシじゃないか」

These days – the stars seem out of reach
But these days – there ain’t a ladder on these streets
These days are fast, love don’t last in this graceless age
Even innocence has caught the morning train
And there ain’t nobody left but us these days

最近じゃ、星には手が届きそうにない
でも街には救い出してくれるような梯子は見あたらない
日々が過ぎ去っていくのが早過ぎて、輝かしさを見いだせない時代には愛も残らない
無垢な心さえ真夜中の列車に運ばれてどこかへ行ってしまった
こんな時代に俺たちだけが取り残されている

These days -Bon Jovi

続いて、"Someday I’ll be Saturday night"の歌詞の一部を紹介します。
Aメロの歌詞が、若者たちからのラジオ投稿風になっています。
彼らの独白は、どこか他人事に思えません。

Now I can’t say my name or tell you where I am
I want to blow myself away, don’t know if I can
I wish that I could be in some other time and place
With someone else’s soul, someone else’s face

僕の名前も、どこにいるのかも言うことはできない
できることなら、自分自身を吹き飛ばしてやりたいよ
今じゃないいつかの、ここじゃないどこかで
違う誰かの魂と違う誰かの顔になれたらいいのに

"Someday I’ll be Saturday night"

「自分らしくいていい」とか「あなたはあなたのままでいい」という歌詞がよくありますが、何をどうしたって、自分は自分でしかないということに逃げ場の無い絶望を覚えるときがあります。

Bon Joviが歌う「誰かの声」は、まさに傷ついた者たちに向けた言葉だと思います。

④ Someday – Nickelback

NickelbackのPVはストーリー性のあるものが多くて、僅か4分弱で映画を見たような気分になります。
特にこの曲の歌詞とPVは、物語好きの心をくすぐる作りになっています。

Now the story's played out like this
Just like a paperback novel
Let's rewrite an ending that fits
Instead of a Hollywood horror

今や物語はこんな有様で
安っぽい小説みたいだ
ふさわしい結末に書き換えよう
ハリウッドホラーみたいな結びの代わりにさ

Nothing's wrong, just as long as
You know that someday I will

何も間違っちゃいないよ
君が信じてくれている限りは

Someday, somehow
I'm gonna make it all right but not right now
I know you're wondering when
(You're the only one who knows that)

いつか、どうにか、なんとかしてみせるよ
だけどそれは今じゃない
いつなんだって思っているだろうけど
それを知っているのは君だけなんだ

Someday – Nickelback

一生のうちで一番聴いている曲の一つで、これからも死ぬまで聴き続けると思います。
ちなみに、この曲のPVは二つバージョンがあるのですが、何故か公式チャンネルには後から公開されたバッドエンド風のバージョンしか残っていません(本当に何故なんだ)。

⑤ Carry on - Avenged seven-fold

アルバムのジャケットもバンドメンバーの風貌もバリバリのメタル風です(実際、バリバリのメタルバンドです)が、メロディックな楽曲が多くてあまりメタルを聴いたことがない人でも聴きやすいと思います。多分。

この曲はFPSゲームのCall of Duty : Black Ops2のテーマソングに使われており、PVではゲームのキャラクターがバンドに参加しています(ドラムとギター)。

ゲームのストーリーを知らないとギターを弾いているキャラクターが可哀想に見えるかもしれません(何故かメンバーに物凄くキツく当たられています)が、本編が相当シリアスで重いシナリオなので、既プレイの人にとってはかなり面白いです。

Search endlessly, fight till we’re free
Fly past the edge of the sea
No bended knee, no mockery,
Somehow we still carry on

いつまででも探し続ける 自由を手にするまで戦い続ける
海の果てまで飛び越えて
膝をついて屈することも、自嘲することもしない
どうにかして 俺たちはまだやれる

Carry on-Avenged seven-fold

メタルバンドの歌詞も、基本的に応援歌が多いように思います。
一時期、毎朝この曲を聴きながら電車に乗っていました。

⑥ Boulevard Of Broken Dreams - Green Day

最後は、少しダウナーな曲です。
Green Dayは反戦歌や社会情勢に対するメッセージを込めた曲が多いバンドです。
痛みを痛みとして、凄惨を凄惨として歌いつつ、世界や個人の平和を訴える歌詞が好きです。

My shadow’s the only one that walks beside me
My shallow heart’s the only thing that’s beating
Sometimes I wish someone out there will find me
'Til then I walk alone
I walk alone, I walk a-

隣を歩くのは自分の影だけ
脈打つのは浅く鼓動する俺の心臓だけ
時々、どこかの誰かが見つけてくれないかって願う
その時まで、一人で歩く
一人歩く、一人で

Boulevard Of Broken Dreams - Green Day

一人で歩き続けて、時々、誰かと出会えることもあったりして、色んなことが起こって、終わって、また歩き続ける。そういう世界観が、私にはしっくりきて、これもずっと聴き続けている一曲です。

おわりに

さて、心地良い曲は見つかったでしょうか。
今回は、個人的な心境や、SNSで見かける言葉を意識して、このような切り口で好きな音楽を紹介してみました。

先日、リラックスを促されることが苦手という記事(【灰澄さんと話そう#07】不眠症実録談―「リラックス」でリラックスできない話)を書きましたが、逆に騒音を聴きながら眠ることはできます。

偏った英才教育のせいで何かが麻痺しているのかもしれませんが、激しい曲の中にも繊細なメッセージがあって、それでこそ表現できる優しさや切実さがあるということを、少しでもシェアできていたら嬉しく思います。

それでは、今回はこのへんで。
また次の記事でお会いしましょう。

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