見出し画像

葉書

日本に居る大学時代の友人から葉書がきた。
本当に、心から嬉しかった。
手書きの葉書が私の元に来たのは何年ぶりだろう?
何十年ぶりかもしれない。
近況を綴り私の事を心配する。その葉書には、彼女の優しさが溢れている。

その昔、インターネットの普及していない頃、日本との通信手段は手紙と電話だった。国際電話はそれはそれは高くて、学生だった私には滅多にかけられるものでは無かった。だから、良く手紙を書いて友達や両親に送った。生憎、手元に国語辞典も無かったし、何より日本語に触れる機会も少なくて、誤字脱字だらけの手紙をよく書いた。私が書いたと同じだけの返事は来なかったけれど、たまに来る両親や友達からの手紙は嬉しくて、何度も読み直して大切に保管した。

思うに、今のEmail やSNSでのやり取りは何百もの軽い好きで、手紙は大きな箱にこれでもかと詰め込まれた大好きのようだ。
ネットでのやり取りは時間を見つけては、ちょこちょこっと思いを綴り、その瞬間を切り取って相手に伝える。
手紙は自分の言葉を大切に紡いで、一文字一文字丁寧に書いてゆく。今の思いを手間暇かけて大きな箱に「あなたの事を思っています。」と大切に詰めてゆく。

葉書が余りに嬉しかったので、私もイソイソとお気に入りの葉書を取り出してきた。たいして出番も無いくせに、お気に入りを見つけるとつい買ってしまう葉書達。やっと出番がやってきたよ。彼女も私の様に喜んでくれるかな。結びの言葉は with a lot of Love xxx




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?