人生の中で立ち止まって気づいたことは?
こんにちは、Gakuです。僕は2021年にデンマークの人生の学校と呼ばれる「大人の学び舎フォルケホイスコーレ」に約1年ほど留学していました。
この記事では余白の時間をとり自分の心に生じた変化を皆さんと共有できればと思っています。
突然ですが、僕は20代のころ何にもない時間を過ごすのが苦手でした。
時間があったら誰かと食事のアポを入れたり、英会話のレッスンを入れたり、立てた目標に関係している予定でスケジュール帳を埋めつくしていました。当時は仕事やスキルアップ以外の予定はなるべく入れず、
「まだまだできていない」、「こんなんじゃだめだ」という言葉とともにいたような気がしています。
多分根底にあったのは「そのままの自分じゃ価値がない」という思い、そして「ゆっくり休んだり何かを楽しむことへの罪悪感」でした。
何のために成長するかも分からず、「成長しなければならない」というどこかからの声に不安を掻き立てられるように焦っていろんなことに手を出していた気がします。
30代になってフォルケホイスコーレに行くことを決めてから僕はいくつか目標を立てました。
1つ目は社会課題を議論できるレベルの英語力を身につけること
2つ目は日本に戻ってから転職活動でアピールできる実績を作ること
こんな目標を立てたので、留学してからは暇さえあれば部屋に戻って英語の勉強をしたり、この学校でどんな実績を作れるだろうと計画したりしていました(笑)
余白の時間に価値を感じていなかった僕は、余白は「埋めなければいけないもの」であり、「何かためになることをしていなければいけないもの」と捉えていたのです。
フォルケホイスコーレではだいたい15時くらいには授業が終わるので、それ以降の時間は何をしてても自由なのです。学校の先生からは「Gaku、授業以外の余白の時間がフォルケホイスコーレにとって大切な時間なんだよ。」と言われていましたが、なんじゃそりゃと聞く耳をもたない始末(泣)。
そんな中とあるきっかけから自分の価値観が変化することに、、少しずつ余白の時間に対する認識が変化していったのです。
ある時、僕がとっていたガーデニングの授業で先生が「今日は森の中から花をつんできてサワーを作り、みんなで飲もう!」と言いました。「じゃあせっかくだしパンケーキを焼いて食べませんか?」と生徒が提案して「いいね、じゃあ天気も良いし外で作って食べようか」となりました。
その日は天気もよく太陽の光を浴びながら散歩を。ワイワイいいながら花をつんだり、おしゃべりをしながらパンケーキを焼いて食べる時間が心地よく、お腹も満たされていました。すると先生が「最近読んでいる小説をみんなに読み聞かせたいのよ」と。みんなで焚き火を囲みながら物語を聞いてうるっときたり、ゆらゆら揺れている火を見たり。みんなとともにいる時間を感じてゆっくりと過ごしました。
この時間を過ごしてみて、なんとなく心の奥で満たされている感覚があり、「あれ、こんな時間の過ごし方っていいかも」と自分の中の何かが変わった気がしました。
何かを創造したい、人に無償で何かを提供したい、この時間を皆で共有したい、という生産性や成長には関係がないかもしれない、忘れていた僕の内側にある大切な欲求に気づいていったのです。
これらは何かを過剰に消費しているわけでもなく、自分たちで創って何かを生み出したり、人と分かちあっていること。そんな時間がコミュニティの中に循環している感じでした。
この時感じた心地よさや満足感のある時間を言葉にすると何なのだろう?とその後考えていたのですが、HyggeやWell-beingの概念なのでしょうか?
そしてそもそもこういう欲求が内側にあることを僕たちは共通言語として持てているのだろうか?という問いが立ちました。
いろんな本を参考にしていると山口周さんのビジネスの未来という本で以下のような記載を発見しました。
そうそう、ヒューマニティに根ざした欲求!
僕がフォルケホイスコーレで気づいた「みんなで焚き火を囲み歌いたい」、「朝の海で泳ぎたい」、「太陽の光を浴びてゆっくりお茶を飲みたい」という欲求はヒューマニティに根ざしているけど、実生活に必要ではないのかもしれない。一方でとても大切で豊かな時間だったという実感。ここに大きな矛盾を感じます。
僕にとっては自分の豊かさであるヒューマニティを取り戻した時間だったのかもしれないけど、その時間を体験しないとその大切さはわからなかったのです。忙しく時間に追われ毎日をあっという間に過ごしていると、自分の中にある大切な欲求を見過ごすことがあるのかもしれないということ。
あーあの体験だよね、良いよね。あの感覚わかる、そういう余白の時間って必要だよね。そんな豊かな時間を感じられる場を作りたいと思うし、これからもその体験を言葉にして分かち合っていきたいと思っています。
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