映画レビュー(82)「死人狩り」(1978年フジテレビ版)


1978年のドラマ。面白い!

 1978年は大学に入って下宿暮らしをしていたので、テレビドラマはほとんど見ていない空白時代である。今回、youtubeに上がっていたもので、全編を視聴できた。
 西伊豆を走行中の路線バスが崖下に転落、乗客27人もろとも海中に没した。バスの乗客には静岡県警の浦上の妻子も含まれていた。当初は事故だと思われたが、実は転落直前に何者かによる散弾銃による銃撃を受けていたことが判明。警察は乗客の誰かに恨みを持つ者の犯行と断定する。だが犯人は27人のうちの誰を、何の目的で狙ったのか? 憎むべき犯人にたどり着くには、犠牲者たちの背景を一人ずつ洗う死人狩りしか方法はない。浦上の執念の捜査によって浮かび上がる犠牲者たちの秘密とは、そして犯人とは?
 というのがWIKIによる作品粗筋である。

犠牲者たる死人の過去を洗う

 犠牲者一人一人に人生がある。各エピソードでそれを描きながら、大きな謎に迫っていく構成の妙に唸らされる。単なる巻き添えで死んだと思っていた自分の妻の過去なども明らかになる。
 主役の萩原健一、「傷だらけの天使」、「前略おふくろ様」などを経て、役者として大ブレイクする時期の魅力がある。
 高度経済成長を終えた直後の日本の地方都市の情景が色濃く残っていて見ごたえがある。都市部は経済成長を謳歌しているが、地方ではまだ未舗装の道路などが多く残っているんだな、と気づかされる。

「死人狩り」(笹沢佐保)
「死人狩り」ドラマ

(追記)
主題歌の「雨に泣いている」(柳ジョージ)も懐かしい。
雨に泣いている

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