ブックガイド(105)「異形にされた人たち」


  差別・被差別問題に関心を持つとき、避けて通れない考察をしている書。
 サンカ、弾左衛門から、別所、俘囚、東光寺まで。近代の目はかつて差別 された人々を「異形の人」として、「再発見」する。明治維新後の四民平等の基で行われた戸籍制度や納税などの制度が、逆に差別を顕在化させた面もあり、示唆に富んだ本である。
 特に面白かったのは、地名や場所を通して、非差別部落の歴史や成り立ちを考察するところ。歴史や民俗学のロマンを感じた(←無責任ではあるが)
 浅草弾左衛門の小説など追っかけたいなと思った。
 調べたところ、作者の塩見氏は、差別をめぐり「両側」から各種の非難を受けてきたようなのだが、それこそがフラットで偏りがない冷静なまなざしで見ているからなのではないかと思える。
 先ずは「浅草弾左衛門」の小説をゲットしようと思った。

異形にされた人たち

浅草弾左衛門

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